2010年12月9日木曜日

MBAって凄い (OHSU 45日目)

今日は大きなイベントはなく、、、私たちの世話全般を見てくれるFamily Physician DepartmentのCleark、、、といってもMBAでいわゆる経営的なことをやっている方と面談でした。
日本に帰ってからOHSUでの経験をどのように役立てたいかについて定期的にミーティングをしています。
後期研修医を受け入れるシステムについて話になったときに、研修医が自分の給与をどうやってペイすればよいかなどについて話し合いをしました。
例えば日本で診療所で研修医を受け入れる場合、私たちの団体では診療所がサラリーを払えないと研修医を受け入れ出来ません。しかし、研修医を受け入れてペイをするためには外来ベースのクリニックの場合は患者数も1.5倍から2倍に引き上げないと給与が出せない。事実、研修医がくるのに合わせて患者数を増やすなんてのも難しいし実のところ受け入れに関しては体力のない小規模診療処などは受け入れがしたくても出来ない状況が続いているのです。
そんな話をしていたときにデパートメントの収支、クリニックの収支、それぞれのMDの儲け、それぞれのMDが何に何%時間を費やしているか、コンピュータの維持のコスト、研修医の儲け、その他の職種の給与などすべてをまとめていたものを見してもらいました。
彼曰く「Accounting(経理)はいくら足りないからもっと患者診ろ、もっと働けだけどMBAはそうじゃなくて、ここが赤字だけどこうやったら黒字になる。ここは赤字なのはしょうがないことだけど、そのおかげでここで黒字を作れている、、などいわゆる今の現状を将来に好転させるビジョンを作るところが違うんだ」と話していました。
医師の診療に使用する時間、医師の研究に使う時間、医師の教育に使う時間などを徹底して計算し医師の配置を検討する。いわゆる資源の適切な配分を求められているわけですね。非常に興味深く、勉強してみたい内容でした。MBAって凄い仕事をしていますねえ。

リッチモンドクリニックでプリセプティング (OHSU 44日目)

今日はリッチモンドクリニックでプリセプティングです。
プリセプティングも様々なDrを見てきましたが面白いですね。今日の先生は我々で言うところの質問返しを毎回している先生でした。一通り終わった後に「What would you like to do?」と必ず聞き返して、そのあとでアドバイスをいくつか与えます。
先生によっては「う~んこうすりゃいいんじゃない?」「いつも自分はこうしているよ」と答えをすぐに
提供する先生から、「○○の××に△△が載っているよ」と教える先生から、一緒にEBMツールを使って検索する先生まで色々です。
どのような点を一番気をつけて指導しているか聞いたところやはり「すぐに答えを上げないで逆に意見を聞いてからアドバイスを上げる点、あとはレジデントも色々だから色々かな、、、」とのことでした質問返しはやはり意図的なものだったんですね。
あとは非常に良かったなあと思ったのはいわゆるProgress Noteのチェックもしているのですが、これは記載が足りないといったあといしっかりと励ましのメッセージを入れており「Cheering is precepter's too」と言って笑っていたのが印象的でした。
Positive Negative Positiveの批判のサンドイッチという言葉を研修医の最初に習ったのを思い出して懐かしい感じがしました。

2010年12月8日水曜日

アルツハイマークリニックの見学 (OHSU 43日目)

今日はFamily physicianではなくNeurologyのAlzheimerクリニックを見学しました。
今日見させてもらったのはFront Temporal Dementia疑いの患者です。何だか最近記憶が悪くなったことなどを心配して同じアパートの住民が連れてきたようです。頭部CTでは前頭葉が委縮気味でFTDを疑っているとのことで、PCPから精査以来の紹介です。話によるとアリセプトを処方されて飲んでいるようで「何だかこれを始めてから悪くないみたい」と付き添いの方の意見。
MMSEをやってみると確かに悪い、20点以下、COGNIATAT認知機能検査を行う。
COGNISTATはscreen-metric方式(最も難易度の高い課題に正答すれば正常とする)で行われるため、検査時間は軽度認知症で15分程度ですむ簡易な検査で1、見当識 2、注意 3、語り 4、理解、5、復唱 6、呼称 7、構成 8、記憶、9、計算 10、類似 11、判断のそれぞれの能力を評価できる。
結果は、見当識や記憶に大きな問題があるが臨床的にはFTDとは臨床的な症状に隔たりがありすぎるという判断。
確かにDynamedには3 major clinical presentationsで特徴づけられると書いてあり、更にはcharacterized by insidious onset of personality changes, behavioral abnormalities and poor insight includingと記載がある。
最終的には、アルツハイマーも典型的じゃないけどアリセプトが一定の効果を見せている。典型的なアルツハイマーじゃないけど非典型的なアルツハイマーとしてアリセプトを続けて、半年ごとに経過を診るようにしましょう、、、ということで一件落着でした。
ところで認知症の疫学的な分類などをもう一度おさらい。
日本のcohort研究J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009 Apr;80(4):366をゲットしました。
65歳以上で認知症のない人を828人を17年間追跡したもので、、、1000人年あたりで計算されてます。
100人を10年見た場合に換算すると32.3人が認知症になり
・14.6人がアルツハイマー型
・9.5人が脳血管性
・1.4人がレビー小体型
・3.8人が混合型
・3.1人がその他
思った以上に脳血管性が多いことがわかります。
基本はアルツハイマー、二番目が脳血管性、その他はドングリの背比べ状態ということですね。

鍼灸外来(Acupuncture Clinic) (OHSU 42日目)

今日はCHHでAcupuncture Clinicの見学です。中国人のMDの先生と4人の鍼灸のインターン生と一緒にチームを組んで診療しており、そこにお邪魔しました。
実は自分は漢方や鍼灸に否定的だったのですが、ちょっと印象が変わった気がします。
多分、否定的な理由は自分が良く分からないから嫌い!、、、というところが一つ。
もう一つはAcpumctureに関してはRCTをやっても盲検化が難しいので今一つEBMという観点でもちょっと弱いなあと、、、いうのが理由です。
患者さんはみんな痛み止め、理学療法(いわゆるフィジカルセラピー)も効果がなくてAcupunctureを希望して来院している人ばかりです。
一通り問診を終えてから診察です。
診察は右手の脈を3本の指で取り、次は左手、そして舌を見る。どっちの手かは忘れてしまったけど、それぞれの指はHeart、Liver、Heartを示すのだとか、、、。
いわゆる’証’を診るということのようです。
問診による症状の聴取と証からAcpunctureをする位置を検討し、最後にアテンドのMDと相談してから実際に術を施していました。カルテにはLV4・5のように書かれていたので「これは何のレベルなの、、、腰椎?」と聞いたら「LiverのArea4・5だよ」と親切に教えてくれました。どうやら合計で400くらいAreaがあるらしく全部覚えるのだとか、、、。
実際に術を施すと腰が痛いと言っていたおじさんは立ち上がり腰をグルングルンとまわしながら体を揺り動かし「おー感じるー、宇宙のエネルギー見たいだー」みたいなことを英語で言っていました。
もちろんプラセボもあるのかもしれませんが、痛み止めもダメ、フィジカルセラピーもダメ、、、という患者で毎週毎週、湿布だのトリガー注射だのしてくれという患者って結構いますよね。
そういう人には実際の効果、プラセボ、痛みに対して何かをしてもらっているという感覚、、、そういったことが大事なのかもしれません。Acpunctureはそういう患者にはぴったりの方法のような気がしました。
問題は保険が利かないということですが、アメリカに関しては通常の保険に加えてオプション加入しているとAcpunctureが保険でカバーされるそうです。

2010年12月7日火曜日

Procedure Clinic(OHSU41日目)

今日はリッチモンドクリニックでProcedure Clinicを見学です。
いわゆる、手技物を集めて特化した外来をしようということのようです。
通常の外来で粉瘤だったり、縫ったり、切ったりというのはなかなか時間がかかりますし、外来がストップしてしまう。クリニック経営の視点でも手技物はある一定の時間、例えば週1回だけ午後のみに時間を十分かけて行うのがいいかもしれません
一例目からなかなか大変そうな人で背中の6cmはあるLipomaです。背中に割を入れ皮下と脂肪織を剥離、、、これが割が少し狭めでなかなか術野が狭く苦労している様子でしたが40分くらいかけて何とか摘出し終了。
その他はCorposcopyなどでしたが、私たちが日本のクリニックでやるには機械がまず必要ですしPap Smearぐらいが限界かと思いました。何より日本ではCorposcopyのTrainが受けれる場所は家庭医をやっているところではなく婦人科に限定されてしまいます。
婦人科の子宮頸癌のscreeningやBirth controleを含めたWomens healthについてはアメリカと日本の差を感じることが多いですがしっかりとTrainを受ければ本来は出来るはず、、、というか出来そうなことが多いんですよね。
あとは、婦人科の問題や産科の問題で家庭医が患者にかかわることを患者が許してくれることが非常に大事になってくるのですが、、、
「何かあったら専門のお医者さんに!」なんてテレビで言っているうちは難しいかもしれません。
「何かあったらまずはかかりつけの家庭医に!」という時代はやはり皆保険制度がつぶれることがなければ起こらないのでしょうかねえ、、、

チーフレジデント (OHSU40日目)

今日はリッチモンドクリニックというところで、プリセプティングを見学です。見学させていただいたのはチーフレジデントの方のプリセプティングでした。
ところで、レジデントなのになんでプリセプティングをしているんだろうと思いません?私だけならごめんなさい。
実はチーフレジデントはレジデント卒業後数年目の先生がつくポストで、研修のローテションの調整やナイトフロートなど調整したり、研修の問題点をくみ上げて上層部と折衝したりと、、大変な仕事のようです。自分の臨床をしながらやるわけですから大変ですよね。
私たちもチーフレジデント制度があるんですが私たちの中のチーフレジデントはレジデントの中から選出される形で、ローテートの調整などはしません。どちらかというと勉強会をどうするとか、年数度のレジデントミーティングの内容をどうするとか、そういうことが多く、自分たちがんローテートを決めて動かすことはありません。あったとしても研修教育担当の先生に研修医のニーズを理事会で通してもらうために意見をまとめたりと、いわゆるそれそのものだけとして決定力や強い発言権はない状態です。日本ではこれが普通だと思います。
さて話に戻りますがプリセプティングの途中でローテート表を取り出して何やら先生はお悩みの様子です。「どうしたの?」と聞くと「We always have a conflict.Mmmm!」と、、、
つまり、ローテーションやナイトフロートなどの時期をめぐりレジデント同士で争いが絶えないということらしいです。そこは日本と同じですね、、何だか初期研修医のころを思い出します。
初期研修医のころは当直表を初期研修医で作っていたんですね。自分達の代が1年生の時はそれぞれがそれぞれを補う形で、病人が出ても、急用ができた人がいても争いがなかったんですが、、、自分たちが2年目になって1年生に当直表決めを任せたら内紛が勃発し結局1年目から当直表を取り上げて2年目が調整する形で解決を図ったのを思い出しました。
なんだか懐かしい話ですが、アメリカも日本もやりたい仕事、やりたくない仕事はみんな共通ですね。

2010年12月4日土曜日

サンクスギビングでWest Coastへ

こんにちは、私たち夫婦はサンクスギビングはアメリカの西海岸へ行きました。
この時期の西海岸は寒く風が強いですが晴れれば絶景です。
海岸沿いに別荘地が点在し、25か所くらいホエールウォッチングが楽しめるスポットがあります。
別荘地の近隣にはリゾートホテルなどがあり、浜辺を歩いたり、ホテルのプールで泳いだりと家族でゆっくり過ごすのがアメリカ流のようです。
私たちはCannon beachと呼ばれる浜の大きな1枚岩を見たり、Tillamookという酪農で有名な街で
チーズ工場を見たりとゆっくり過ごしました。
あとは、この時期は寒いですがサケやカニ(ダンジネスクラブというカニで超美味)を使った料理などが港で食べることが出来、定番料理となっています。
最後に立ち寄った港、Newportでは先ほどのカニを食べましたが、何よりもすごいのは野生のアシカが港のあちこちにたむろしていて数メーターの距離で見ることができます。
近くに全米で5本の指に入るというオレゴンコースト水族館がああり、フリーウィリーという映画に出演したシャチのKeikoが在籍していたことで有名なのですが、こちらの水族館でアシカを見るよりも港でただで近くで見れるので何だかお得な感じです。
水族館の方は、やはり日本のほうがかなりすごいという感触でした。日本はやはり四方を海で囲まれた国というところもあり魚種から水槽の大きさから日本のほうがすごいかなあと、、、。
いずれにしろ、3日間、オレゴンでやっと観光らしい観光ができたのでとても充実したサンクスギビングでした。

サンクスギビングの起源

今日は仕事から離れてサンクスギビングについてです。11月の第4木曜日をサンクスギビングといいアメリカ人は家族で集まり七面鳥などを食べて過ごし、3日の間、日本で言う正月のような日々を過ごします。
アメリカでは最も古い祝日らしいです。私の通う英語のレッスンでサンクスギビングの起源についてレクチャーがあったので調べてみました。
以下、Wikipediaより

「イギリスからマサチューセッツ州のプリマス植民地に移住したピルグリムファーザース(いわゆるピューリタンのことのよう)の最初の収穫を記念する行事であると一般的に信じられている。ピルグリムがプリマスに到着した1620年の冬は大変厳しく、大勢の死者を出したが、近隣に居住していたインディアンのワンパノアグ族の助力により生き延びることができた。翌年の秋は、とりわけ収穫が多かったため、ピルグリムファーザーズはワンパノアグ族を招待し、神の恵みに感謝して共にご馳走をいただいたことが始まりであるとされる。」

この話を聞いていると何だか心が温まる話ですが、、、。
一方で事実でないという説もあり、、、。

「1620年に彼らがアメリカ大陸に来た時点で、ニューイングランド周辺にいたインディアンのうち約90%は病気により死亡していた。その理由としては、1492年にコロンブスがアメリカにやってきた際に、当時アメリカ大陸内では存在しなかったヨーロッパから運ばれたインフルエンザ菌、その他の病原体に対する抵抗力が無かったということがある。その結果、1620年にピルグリムファーザーズがプリマス植民地にやってきた際には、無人状態となったインディアン達の住居や日用品を使うことで厳しい冬を過ごす事ができたという。したがって、インディアン達が彼らに食料や毛皮のジャケットなどを提供し、両者の間に友好関係があったとされるという事実は確認されているとは言いがたい。」

という記載も、、、。

「マサチューセッツ植民地の統治者ウィンスロップがアメリカにはインディアンとの間の戦争や虐殺、略奪という暗い歴史しか無いので、「明るい話を広めよう」と使われたとも言われている。白人の間で現在広く伝えられている“感謝祭”の歴史は史実とするには議論の余地がある。」

なるほど、、、常に歴史は勝者に作られるんですね。

いずれにしろ3日の休みがもらえることは私たちには嬉しいことですが、そこにアメリカのくらい歴史が隠れていることも忘れてはいけないことですね。

2010年12月1日水曜日

痛み止めの問題 (OHSU37日目)

今日の午前はBeheavioral Medicineのセッションに参加、ビデオで自分たちの診療を評価しディスカッションするものです。
今日のChallengeable Patientは痛み止めを減らそうとしてもいつも話をそらされてしまうという患者さんについてでした。ビデオの中では、研修医が一生懸命痛み止めを減らそうという方向で話をするのですが(確かこの患者はOAで膝が痛くてバイコデンというアセトアミノフェンとコデインの合剤
を使用している)、膝の痛みが治っても背中が痛い、腰が痛い、頭が痛い、、、と他の痛みの話を毎回もちかけて痛み止めを減らすことができないという内容です。
アメリカでは癌以外でも疼痛コントロールでコデインのような弱オピオイドからオキシコドンのような通常のオピオイドも使用可能です。しかし、これが結構問題になっているようです。
かかりつけのクリニックでのrefill(薬のおかわりがクリニックに行かないでもE-mailや電話でPrimary Care Physicianに連絡し処方箋を薬局にFaxしてもらえる)以外に他のクリニックでもrefillもらってお代わりしている患者がおり、いわゆる軽い麻薬漬け状態になってやめられなくなっている患者が結構いるんです。
日本では基本的に整形疾患ではNSAIDsを中心とした非オピオイドが中心で、外来で「痛くて痛くて、、、足が、、腰が、、、首が、、、」などと毎日のように来て患者に言われるとついついアメリカのようなオピオイドを簡単な整形疾患でも処方できるシステムにあこがれが生まれます。
しかし日本のように皆保険で医療費の負担が少ない国では患者は複数のクリニックにかかりやすくrifillがもらいたい放題というリスクがあるのでアメリカよりももっと麻薬漬けの患者が増えてしまうかもしれません。
痛みを取ってあげたいが、オピオイド漬けになってしまう、、、常にダブルバインド状態ですね。

PS:今日はなんだか運が悪く、、、自宅のオートロックで締め出されてしまい寒い中さんざんな目にあいました。アパートのランドリーに行こうとしてドアを開いたときに、普段はおとなしく外で待っている猫ちゃんが勢いよく家に入ろうとしたのであわてて閉めたら時すでに遅し、、、でした。
 妻に電話して往復25分の道のりを寒い中歩きOHSUへ、、、鍵をやっとゲットしました。
 、、、ついてないなあ、、、。

アメリカのホスピスを見学 (OHSU36日目)

今日はアメリカのホスピスの見学です。OHSUではなくLegacyというグループが持つホスピスです。近所の日本の食品を売っているスーパーマーケットに行く際に前を通ることがあり妻と「ホスピスがこんなところにあるんだ~」と良く話をしていたところでした。
基本的には入院している人の中心は癌で末期の人が多いのですが、エンドステージの肝疾患や脳梗塞で寝たきりで肺炎を繰り返しており状態が悪い人なども一部混じっています。
ここは数人の研修医の受け入れもしているようで、アテンドのドクターが案内してくれました。日本のホスピスと違って基本的には在宅が基本になっていて、著しく状況が変わり疼痛コントロールや対症療法が必要な場合に入院する形になっています。入院をしたとしても状況がコントロールでき次第すぐに家に戻るようなシステムになっており、患者死亡時には基本的にドクターではなくナースのみが確認に行き死亡確認をすることになっているのでそんなに夜は大変ではないとのことでした。
疑問に思ったのは実際にどれだけの人が自宅で亡くなり、どれだけの人が入院で亡くなるかです。アテンドのドクターに聞いてみましたが半分以上は自宅で亡くなり、入院して急激に悪くなって亡くなる人が半分よりちょっと少ないくらいとのこと、、、。
それを考えると日本に関しては入院していても在宅とやれることが変わらないのに入院で看取りをするケースが異常に多いなあと感じました。看取り以外についても入院の域値、医療機関にかかろうとする受診の域値が日本は異常に低いなあと痛感します。皆保険で個人の負担が少ないのが原因の主な部分でしょうが、、、他にも問題があるのかもしれません。
患者の家族の不安を取り除くという理由で医療が間近にあることが非常に大事なのかもしれませんが、本当に必要な入院とは何なのか考えなきゃいけないですね。良くある入院希望の理由が、、面倒見切れない、仕事が大変、心配、念のため、、、そんな理由で入院が成り立っていますが、ケースによっては高齢者をただネグレクトというケースも今まで経験したことがありますし、、、逆にどのようにケアしたらよいかという介護の知識の欠乏や医療側の説明不足が不安の原因になっている場合も問題として隠れていたりするんですよね。
防ぎうる無駄な入院は我々の説明努力と元々の信頼関係の構築が鍵を握っているのかもしれません。ただしアメリカの場合はやはりHosupiceの入院費が高いという部分も在宅がベースになっている原因なのかもしれませんね。
日本も入院費が高かったらアメリカのようになるんでしょうか?
それが正しいと言いきれませんが、無駄を減らすという意味では医療費の高騰や自己負担額の増加は必要なことなのかもしれません。

なんだかだんだん暇に (OHSU35日目)

午前も午後もCHHというOHSU付属のクリニックで見学です。
さすがに2カ月目になるとアメリカの家庭医がどのように仕事をしているか、どのようなシステムで現場が回っているかがだんだん分かってきました。
反面、普通にクリニックで見学をしている分には少し暇になってきます。
英語は相変わらず難しくて分からないことが多いのでディスカッションなどは主に見学になってしまいますが、バイオメディカルについていえばアメリカの臨床医は難しい問題にあたった場合には私たちと同じでDynamed、Up to dateで解決しているということが分かりました。つまりバイオメディカルについて言えば日本で我々がやっている魚の釣り方(分からないときにどうやって解決をしているか)はほとんど変わらないのです。
、、、なのちょっと暇、、、何のための留学だったのか少し考え直したほうがいいかもしれません。
そう、大事なことは留学の成果を今後の日本でのプラクティスやシステム作りに生かすことでした。
なんだか偉そうに聞こえますが、行動科学でSBIRTを導入しようとか、簡単なことでもいいから具体的に日本で何をすべきか、、、何ならできるかを考える時間が必要な気がします。
あまりクリニック見学を入れてもしょうがないので最後の1カ月は自習の時間を作って今まで見たことをまとめたり、今後にどのように展開するか考えようと思います。

2010年11月29日月曜日

クレイターレークに行く (OHSU34日目)

今日はクラマスフォールズの最終日、、、ということで観光に行っておいでよ~と言われて約
1時間半車で行ったところにあるアメリカでいちばん深い湖にいきました。
その名も、そのまま火山湖でクレイターの中にある湖でクレイターレークです。
途中から雪が道を覆い始めていやな予感が、、、5cm、、、10cm、、、20cm、、、もう限界!
、、、ということで今まで一度も装着経験のないチェーンを使用しました。
チェーンと格闘、、、いや、、、妻と格闘すること30分(笑)、、、装着完了し約15分走行するとそこには見たこともない世界がありました。
夏は湖の周りを車で回れるそうですが今は、道が閉鎖されており車で到達できる湖畔は2か所のみです。とても美しくて雪の白さに湖の青さが際立って見えますね。
車は無理ですがクロスカントリースキーで周りをまわって歩く人がいるみたいです。
雪とチェーン装着の難しさで難渋しましたが一生に一度の経験ができてよかったです。
あれこれ言いあいながらつけたチェーンも今となればいい思い出ですね。

2010年11月27日土曜日

モバイルクリニックとナーシングホーム (OHSU33日目)

今日はモバイルクリニックとナーシングホームを見学です。
モバイルクリニックは数年前に病院から車で40分くらい離れた村、あとはクラマスフォールスのホームレス、女性のグループホームみたいなところ(なんていうか虐待を受けた女性が避難したりするところ)へ指導医1人と研修医で診療に行くために数年前に購入したとか、、、。
車両は州からの援助、ガソリン代などはスカイレークス医療センターなどが出しているとか、、、薬はPrivate Clinicから期限切れのものをDonation(寄付)としてもらったものを使っているとか、、、。
案内してくれたのは日系人(日本語は喋れない)の事務の方でカルテなどのメカニック担当、モバイルクリニックはキャンプカーを改造して作ったものでマイクロバスくらいの広さです。
メカニック担当の方の話では衛星とモバイルクリニックをつないで電子カルテを使用して診察するのだそうです。往診を頻回にすることはあってもクリニックを持っていくという概念はさすがアメリカですね。規模の違いを感じました。
午後はちょろっとNursing Homeの見学、もともとはスカイレークス医療センターの付属だったようですが今は経営は完全に切り離されているようです。基本は日本のNursing Homeと同じですが、Feeding tubeやPEGの人は少ない印象でした。やはり長生きしてもQOLが低くては意味がないという合理的な概念が基本的にはアメリカの中ではmajorityな印象で、経済的な負担が多くなることなどの問題もあり、いわゆる寝たきりでただただ生きているだけの人は比較的少ないですね。
医療費がかかるというのは悪い点かもしれませんが、必要以上のケアを経済的理由でやらない傾向にあるというのはアメリカ医療の1つの良い側面かもしれませんね。

2010年11月18日木曜日

アメリカのER (OHSU32日目)

今日はクラマスフォールズのスカイレークス医療センターのERを見学しました。ちなみにOHSUでは病棟がOHSUの本院にあるのと同様でスカイレークス医療センターは入院病棟の機能をもち、カスケードイースト家庭医療センターでは外来診療のみを行っているという感じです。
最初の1例はCHFとCOPDで重症の患者、CO2が90まで上昇して意識もうろう状態でした。その後も患者は途切れることなくずっと続きましたが、基本的には頻脈症状、指を切った、胸が締め付けられる感じがするなど、、、と我々の病院で夜間当直で混雑している時とそっくりでした。
ここのERのDrは9時間勤務でシフトが組まれている状態でした。基本的に2人が診療に当たる状態という話でしたが実際は1人しか医師がいない状況です。9時から見学に入って、1人しか医師がいなくておかしいなと思っていたら12時にもう一人の医者が到着しました。
よくよく考えてみると9時間シフトでは1日のすべてを2人でカバーするのは無理ですね。恐らくですが勤務の開始時間は6時12時18時24時で、医師が2人がオーバーラップする時間は6-9時、12-15時、18-21時の9時間になるんじゃないかと思います。英語が聞き取れないって不便です、、、。
勤務する医師はクリニックで済むような病気でERを受診する人が多くてこまっているような話をしていて「今日は軽傷が多くて詰まんないなあ、、、軽傷ばっかりでつまらなくない?」と逆に聞かれてしまいました。
OHSUのようなところのERはどのような状況なのかはまだ確認していませんが少なくともRural AreaのERは日本のERとちょっと似通っているんだなあと感じました。
何だかクラマスフォールスでは共感することが非常に多いです。

クラマスフォールズのプリセプティングを見学する (OHSU31日目)

今日は午前中にホームステイ先の先生の外来に付き、午後はClinicのプリセプティングを見学しました。ここの研修医は1年目は週のうち半日はクリニック、2年目は半々、3年目はほとんどの時間がクリニックで診療をするようになります。
基本的にはどの学年の研修医も診療の最後にプリセプターに見せてから診療を終了する形です。その際に分からないことを聞いたり、ディスカッションをしたりという形で、OHSUと大差はないような印象でした。
OHSUでは3年目になると分からないことがない限りはプリセプターにはお目通りしなくていいシステムなのでこちらの方が管理ががっちりしていますね。
研修医の診療をみたり、プリセプターと話したりしている内容を聞いていると我々ももっと勉強をしないといけないなあと思うことや日本でもやらなきゃいけないことがたくさんありました。
やはり特に予防医学的な観点、予防接種、子宮頚部の擦過細胞診、禁煙指導などはもっともっと積極的にする必要があると思いました。
あとは、診療を終わる前にどのような状況になったらまた病院に来なくてはいけないかなど患者教育に関しても日本より進んでいる、、、というよりも力を入れている印象がありました。
我々の診療は時間のせいにしてやれることをやっていないことも結構あるかもしれません。

2010年11月17日水曜日

クラマスフォールズに行く (OHSU30日目)

今週はクラマスフォールズでRural Medicineの研修です。
ポートランドから約5時間半、ハイウェイと下道を使って南下し日曜日に入りました。
月曜日は午前中に入院患者の診察をシャドウィングです。
家庭医で20人ちょっとの患者を見ていて、チームは3つあり、基本はインタ-ンが担当医にする形です。それぞれに2年目または3年目のレジデントが1人と更に上にスタッフがアテンドとしてチームに入って構成されています。
2チームで10人前後のOHSUよりはこちらの方が忙しそうです。本日同行した2年目の研修医の先生とお話をしているとナイトフロートではなくオンコール登板があるようで、内科の患者が入院した時は病院に呼ばれて入院患者のケアをしなくてはならないようです。オンコールの翌日は昼までの勤務で約30時間の継続勤務、OHSUのレジデントは朝に上がっていましたからやはりこちらの方がハードですね。
OHSUで研修をしていた時は何だか自分たちと全然違うなあという感じでしたがクラマスフォールズは何だか我々の働いている病院と似通った感じがして共感しました。
ただし、教育については完全な屋根瓦になっているので我々みたいなオンザジョブトレーニングで基本的に放置されている状況とは程遠い状態です。
教育のために医師を1人使うと患者を見る医師が減るので収入が減るかもしれませんが、日本みたいに「見て学べ自分で調べろ」という教育よりは逆に早く成熟した医師になることができて経済的にもいいかもしれませんね。
午後はクラマスフォールズに就職活動で訪れていた学生さんに同行し市内を見学、リクルート担当の先生(我々のホームステイ先)が一つ一つ物件を車でまわり、いつに出来て値段はいくらという話をしていました。まるで不動産屋さんを副業でしているかのようでした。
結構学生が来ていましたがリクルートメントは大変のようですね。
アメリカも日本も地域医療の担い手を探す、育てるというのは大変なことだなあと共感しました。

2010年11月12日金曜日

旅行医学と予防接種 (OHSU28日目)

そう言えば、OHSUに研修に来てから不思議な予防接種の名前を良く耳にします。Yellow feverだとかTyphoidなど、、、日本では聞きなれない予防接種です。ただし聞きなれている者に関してもかなり力を入れていて日本の外来よりももっともっと積極的に予防接種についての説明と接種の推奨をしています。(子供の予防接種に関するCDCのリンクはこちら
旅行者も来院することがありどの地域ではどの感染症の予防接種を使わないといけないとか、薬は内服でマラリヤの薬や抗生剤が必要だとか色々なことをしていました。
研修医や学生さんがCDCのホームページ(旅行者の健康に関するCDCのリンクはこちら)で調べていて非常に役に立ちそうでした。珍しい予防接種を診療所で用意しても役に立ちませんが何かしら患者さんのアドバイスが出来るかもしれませんね。

ちょっとした勘違い (OHSU27日目)

今日はちょっとした勘違いが解けて嬉しかった話です。いつも私たち留学生がお世話になる事務の方が2人いるのですが、1人は日本人なのでもちろん日本語がぺらぺら、もう一人はもちろんアメリカ人なので日本語は全く分からない。多分私たちが早い英語が分からないの以上に日本語は全く分からない様子です。
大体その2人が同じ部屋で仕事をしているのですが私たちが部屋を用事で訪れると大体日本語で日本の方とお話しします。ちょこっとしたことは英語でもう1人のアメリカ人と話すのですがいまいち乗り気じゃない様子、、、妻と2人で「やっぱりアメリカ人からすると英語もできないのにアメリカ留学なんて来るなよって感じなのかなあ。やっぱり英語が話せない日本人は敬遠されてるのかしら?」と良く話していました。
そして、昨日、OHSUのFamily Medicineのスタッフ(アメリカ人でちょっとした挨拶程度の日本語は喋る人でFamily MedicineのFainance担当)が日本でのワークショップを終えてちょうど帰ってきたところに遭遇し、部屋で日本の話をしたり、日本での写真をみてワイワイガヤガヤとお話をしていました。
そしたら、横で話を聞いていた全く日本語がしゃべれない例のアメリカ人の事務の方が一言、、、「日本のレジデントが毎回こうやってくるのに日本語ができない。日本語が出来ればもっとコミュニケーションができるのに、、、」と、、、。
うちら夫婦は予想もしない話しにきょとんとなりましたが、ああ僕らも英語ができなくて積極的にお話をしないでいるから周りのアメリカ人からは私たちが思っていることと同じ事を逆に思われているかもしれないんだと気づかされました。
これがきっかけで私たちが事務の部屋に行くたびに日本語と英語を交換して教えあうことになりました。ひょんなことで分かりあえるものですね。

Southwest Community Health Center (OHSU26日目)

本日は日中はCHHというCLINICで研修、夕方からはボランティアでOHSUが医師を派遣しているSouthwest Community Health Centerで研修です。ここは無保険で低所得の患者に対するボランティアを行っているところです。
学生が問診から身体所見間で取り外で待っているアテンドに相談しもう一度診察し処方や検査を行っていました。学生はこの日は1年生の学生さんで、ぎこちなさが自分たちの1年目のころをほうふつさせる感じで新鮮でした。
「一緒に診察入っていい?」と聞くと「もちろんだよ」と言ってくれました。こっちの研修医は私たちのように英語に難ある人にはあまりアドバイスを求めてこない人が多いのですがさすがに臨床ほぼ無経験の1年生の学生さんだけあって、英語が怪しくても一緒に入ってもらえる方が安心みたいです。
「鼓膜、もう一度見てもらっていい?」と聞かれ色々と考えながら診察を一緒に行いその後に上級医(といってもこの日は私と同じくらいのレベルの研修医3年目[]こちらの研修医は3年目が後期研3年目くらいの実力と思われる])と一緒に診察、結局はPost Viral Infectionでしたがその後学生さんに子供の慢性咳嗽で気をつけることや鑑別疾患について私も英語で説明しました。われながら少しは学生さんの教育に貢献できたかも、、、と自己満足でした。
それにしても学生さん、1年生のころから問診と診察をボランティアという場所を借りて行って自分のトレーニングにしている。ボランティアもできてその見返りに自分の勉強にもなるとても素晴らしいシステムだと思いました。

患者さんと別れること (OHSU25日目)

さて、、、今日は午前中、午後ともにCHHという川岸のCLINICで研修です。午前中に付いた先生、来年はご家族の都合でWisconsin州に移動されるようで、会う患者会う患者にすべてお話ししていました。そう言えば昔、千葉の某病院(内科医が1人になって一時話題になった)で一緒に働いていた上司が、患者と別れるときにどうすればいいかについて調べていたのを思い出した、、、。確かSaults先生の書いたTextbook of family medicine(分厚い奴)のcontinuityの項目に会ったような、、、。自分は1年おきに移動しているので長い人はいないのですが、継続性を維持することは非常に大事なので1度目を通しておこうかと思います。

PS:別れを告げたときに患者さんはみんな残念そうでしたが感謝の言葉を医師に言っていました。そんな風な関係が作れるといいですね。羨ましい、、、患者嫌いになってしまった今の自分には自信がないです。
時間外にめちゃくちゃな受診をする患者と最新外来にしっかりとくる人は質が違うのでそこは混同して考えないようにしないといけませんね。何だか仕事のことを考えるとどうしてもそっちのネガティブな患者のイメージが先行してしまいます、、、反省反省。ちょっとした休みが必要なのかしら、、、。

2010年11月8日月曜日

BendへOFAPミーティング (OHSU24日目)

金曜の午後からOFAPのミーティングでCentral Oregonの中心都市のBendへ、、、。といっても
車で5時間強で結構大変でした。話の内容は、、、英語で全部良くわかりませんが、AFPのスポンサーに某有名清涼飲料水会社(サンタクロースが赤と白の服のイメージであると、そのCMの力で全世界に植えつけた会社といえば分かるでしょうか?)が手を挙げたけどDMなどの健康問題などからAFPがスポンサーを拒否したとか、、、あとは選挙のお話とか、、、新しい研修医のプログラムの話とかでした。
やはり、アメリカの家庭医は政治的に戦っているのがえらい!日本の医者、特に家庭医ももっとポリティックな部分でも戦って、自分たちの存在価値を明確にしてポジションを得たり、医療政策などにも介入できるようにする必要があるなあと強く感じました。
オレゴンでは州の医療政策を決めるにあたり家庭医が中心的な役割を果たしています。日本も負けてはいけませんね。

2010年11月5日金曜日

認知症の診断

食後にアメリカの診療について妻と話していたら、、、そういえばVitaminの採血良くとってるな~という話になりました。CaとVitDはかなり綿密にチェックしている様子、そう言えば鬱の人にVitB群とかTyroidもチェックしているよねという話になり、、、認知症のスクリーニングの話へ、、、そう言えば認知症の診断、かなりあいまいだなあ、、、。
ということでDynamedでチェック、まとめてみました。

多系統にわたる認知能力の欠如
記憶能力の低下(記銘・想起が出来ない)
少なくとも以下のうちの1つがある
  ・失語(言葉が出ない)
  ・失行(運動系に異常がないのに動けない)
  ・失認(神経系に異常がないのに認識できない)
  ・管理する能力がなくなる(計画する/整理する/順番づけする/抽象化する)
仕事、社会活動に影響を与えるような認知能力の欠如と以前に比べて明らかな機能低下がある
緩徐発症、緩徐進行である
以下のどの疾患によるものでもない
  ・他の記憶障害や認知能低下を来す脳血管障害
   (脳血管性/Parkinson病/ハンチントン病/硬膜下血腫/正常圧水頭症/脳腫瘍)
  ・認知症の原因として知られている全身疾患
   (甲状腺機能低下症/Vit.B12欠乏/葉酸欠乏/Vit.B3/高Ca血症/神経梅毒/HIV感染)
譫妄状態のときのみに認知能力の欠如が起こらない
他の非器質性の疾患(Depression/Schizophrenia)
公式ガイドラインが改善されていないが家庭医の診断は利用可能な情報が増えた(診断リソースの整備された)事により適切なものになってきた
3part-argolismは洗練された手段ではないが認知症に対する感度の高いものとして発展途上国では知られている
 (Geriatric mental state, The community screening instrument for dementia, Consortium to Establish a Registry of Alzheimer’s Disease[CERA]を使ったscreeningのalgorism)
Brief Informant Interview(AD8)は中等度の認知症に対して感度が高い
 AD8は認知能に関する8つの項目について、ここ数年に関して変化があれば‘Yes,a change’と答える内容になっている。
① 判断力の欠如
 (金銭の管理で誤った決断をする。プレゼントとして不適切なギフトを買ってしまう。)
② 興味の低下
③ 質問、物語、在り様(沙汰)などを繰り返し話す
④ 道具、器具、工具などの使い方の学習に問題がある
⑤ 年月を忘れる
⑥ 複雑な金銭の問題を取り扱えない
⑦ 約束を忘れる
⑧ 思案することとまたは)記憶する事に問題がある
Neurology 2005 Aug 23:65(4):559によるとAD8で2点以上の人は中等度から重症の認知症に対して感度85%特異度86%(LR:6.07)、軽症の認知症に関しては感度74%(5.26)だった。ちなみにAD8はこちらから手に入れることが出来ます。

IPP(Intercultural Psychiatric Program)の見学 (OHSU 23日目)

こんにちは、今日はIPPという移民(難民でアフリカやアジアの国から)となった人が無償で受診できるCLINICに行ってきました。今日はMedication Managtementだったので診療はあまりありませんでしたけど、肩の慢性疼痛の患者にAcupanctureをやっていました。効くのかどうか分かりませんが、痛み止めも効果がなくてダメ、つらい、眠れない、ごねごねごね、、というときに、う~んじゃあ針ね!っていう感じはそれなりにありかも知れません。データがあったら調べてみようと思います。

そうそう、今日は家庭医の父であるDr,Taylorの頭痛の授業、身体所見の話で何をとるかという話になったのですが「Jolt Accentuation!」とお話をしたら、先生や講義に参加している学生さんに「・・・?」という反応をされてしまいました。自分の発音がえらい悪いのか心配になりいろんな言い方をした挙句「Shake face right and left quickly.Then....」と説明しましたがどうやら項部硬直と周りは思ったみたいでした。講義が終わってからもう一度、紙に書いてこれってどう発音するんだと聞いたのですが、発音は分かるけど知らないといわれました。

妻と2人で日本ではメジャーで髄膜炎の除外の時に感度の高い所見としてとって除外診断に使用するんだよと説明したら、やや受けでした。もっと驚いてくれていいのに、、、と思いつつ多分JAMAのRational Clinical Examinationに載ってるよとちょっとえらそうに説明しました。
Jolt AccentuationってアメリカではMajorじゃないのかしら?

2010年11月4日木曜日

英語アレルギー再発 (OHSU22日目)

今日は午前中はBehabioral ScienceのVideo Reviewでした。そして午後はレジデントミーティングです。う~ん今日は何だか英語が非常にいや、、、日常会話で困らなくなりつつあるのにディスカッションや講義を聞いていると集中力が続かない。何を言っているのか途中で脱落してしまう。
良く分からないのですが、点滴と似てますね。研修医のころ最初は全然点滴が入らなくて嫌になって、少し入るようになったと思ったらまた入らなくなってしまって点滴するのが嫌になってしまったりして急に億劫になるやつ、、、なんだかあれにそっくりです。
一緒に留学している妻はお話しがかなり分かるらしくて自分はいつも置いていかれるので落ち込むことばかりですね、、、なんだか劣等感を感じるために来てしまったのか、、、周りが分かるのに自分だけ分からない、、これホント引きこもりを起こしますね。
まあ分からんもんは分からんと開き直るしかないかなあと、、、どうせアメリカ人も日本着たからって日本語話せるわけじゃないし、、、そう、、プラスにプラスに考えて行こうと自分を励ます毎日です。
ということで今日は簡単にブログは終わろうと思いますが、昨日スポーツメディスンのDrから聞いた推薦図書をメモしておきます。

The Sports Medicine Resource Manual
(何週安静にして何週リハしてみたいなのが載ってる)
Fracture Management For Primary Care
(EiffというOHSUに在籍した医師が書いている)
Orthopedics Sports Medicine(Dleeって人が書いてるかな)
Emergency  management of Skelletal Injury
Injection Techniques in Orthopedics and Sports Medicine
(個人的にいいなあともったもの)
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その他、本屋で立ち読みしていいなと思ったものも、、、
The color atlas of family medicine
(絵や写真が多くて目や耳、鼻、虐待など多岐にわたる)
Office Orthopedics For Primary Care Orthopedic Clinical Examination
(何となく)
Understanding Health Poliy
(アメリカの医療ってこんな感じなんだ~)
Adult Telephone Portocol
(医者以外も電話対応ができるようになると思う)

2010年11月3日水曜日

外転神経麻痺、スポーツメディスン (OHSU21日目)

本日はGabriel ParkのCLINICで研修です。午前中はFamily MedicineのPriceptingに陪席、2人の研修医をアテンディングが指導していました。基本的には教え方は以前もお話しした通りDynamed,Up to ateが主なツールでした。興味深い患者が1人、来ていて両側の外転神経麻痺の患者が来院、色々と調べてみると多発性硬化症や重症筋無力症など、、、が鑑別に上がる感じ、、、本院の眼科医に連絡するも予約がすぐ取れないとのこと、、、(2週間後だとか)。そこで結局、患者の夫が運転する車でERまで行き眼科、神経内科の医師に診察を受ける運びに、、、日本のようにすぐに見てもらえる環境が無くすべてが予約外来ですぐに見てもらうにはERで高額のお金を払わなくてはならないんですね。今までのブログでは簡単にアクセスできる皆保険に否定的な見方が多かったのですが、アメリカのようなシステムでは本当にこれは怪しい、重要な疾患の可能性があり急いで検査をしたり診断をつけたいような場合には不便な点が多いかもしれませんね。
午後はスポーツメディスンのDrにつきました。日本ではスポーツ外傷を扱う印象ですがこちらでは、いわゆる整形内科的なことをしていました。基本的には家庭医の診療を行っており鬱の患者やEDの患者、子供の風邪などを幅広く見ていましたが、その中でも筋骨格形の問題について非常に詳しいという特徴を備えているような感じです。アメリカの家庭医の女医にマタニティケアを得意とする医師が多い(患者が女医に見てほしいと思うらしい)のと似た感じなのかどうか分かりませんが、一般的な家庭医が整形外科的な問題を解決するニーズを強く感じてでスポーツメディスンを勉強して治療に生かしているという感じでした。
身体所見についていい勉強ツールがないかと聞いたら学生教育やレジデント教育用のリソースを教えてくれました。ネットがあれば診療中にものぞくことができて便利そうです。ちなみにフリーアクセス可能です。

学生教育担当と会う OHSU(20日目)

今日は、家庭医療学講座の学生教育担当と面談です。色々お話ししましたが、学生が非常に優秀なので学生の教育環境について主にお話ししました。もちろん学生自身が自分で借金をして学費を払い(卒業時点で学費生活費込みで3000万くらい借金をかかえるそうな)生活をかけているのでモチベーションが低いわけはありませんが、やはり教育内容もかなり違う。
以前にお話しした通り1年、2年でもいわゆるGeneral Medicineを学ぶために週のうち1日はCLINICなどで実際の臨床研修があり出来る学生さんは1人で問診と身体所見までは取ってしまう。3年や4年となればその逆パターンで週のうちの1日がむしろ座学のレクチャーになりより実践的になっていく。
日本レジデントと違いアメリカは医学部在籍時から臨床を意識してトレインされていて、研修医のレベルの高さは学生時代の教育が地盤にあるのだ。OSCEの内容は以前にもお話ししたが、身体所見に関してもBate'sのフィジカルイグザミネーションのビデオを大学が契約しておりネット上でIDとPassがあればいつでもどこでも学生は見ることができるように環境整備がされている。
日本の研修医のレベルの底上げや家庭医療を広めたり家庭医事態を増やすことを考える際に、セレクトの段階でモチベーションの高い学生を集めることが必要だったり、卒前教育の質の改善が重要となってくると思われるが、、、日本では少し事情が違うようだ。
家庭医療学会のアンケートだったと確か思うが、家庭医になろうと思ったきっかけが研修医の時の経験や体験に基づくという結果が大半であったという、、、。つまり卒後の初期教育において家庭医療の重要性や面白さをどのように伝えるか?どのような機会を与えるか?によって進路が決まっているということらしい。
初期研修医が研修に来たときにはたして自分がしっかりと何かを伝えることが出来ているのか、、、ちょっと考えてみると難しいことだなあと思いました。家庭医の大変な部分がどうしても先に出てしまってないか、、、、ちょっと考えもんだなあと思いました。

PS:でもどこが楽しいかって聞かれると今の自分には答える自信がないんです、、、これが、、、

2010年10月31日日曜日

リンゴ狩りに行く

こんにちは今日はお休みでしたので、OHSUの日本人医師と一緒にリンゴを摘みに行きました。
行く途中はコロンビア川沿いを走るHistric wayという開拓時代に作った道を通り、Vista House(1918年に初期のパイオニアたちを記念してコロンビア川の水面から約223メートルの断崖の上に建てらた八角形の石造りの資料館)、マルトノマ滝を見学しオレゴンの開拓史を肌で感じることができました。
そのほかにもオレゴンは開拓時代に日本人がたくさん入居したり(確か鉄道建設のためだったかな)、二次大戦中には強制収容所があったりと日系人にゆかりの土地がたくさんあります。今回行った農園も清川農園というところで日系人の経営する農園です。フットリバーという小さな町から30分ほど車で走ったところです。
雨でコンディションが悪かったですがFuji、Mutsuなど日本でおなじみの品種から果肉の赤いHidden Roseという種類まで、、、数十種類のリンゴがありました。食べて味を確かめながら摘むことができるのでついついたくさんかじってしまいおなかがいっぱい、そしてついつい摘みすぎてしまいましたがそれでもスーパーで買うよりも激安です。
何よりもアメリカのスーパーで売っているリンゴはワックスでピカピカになっているので異常にてかっていて気持ち悪いです。何だか綺麗な毒りんごのような感じですが農園で摘んだリンゴは日本で売っているようなリンゴと同じでワックスが掛かっていませんので何だか健康に良さそうな感じです。
その後は解散し、各々で自宅へ、、、人生初のリンゴ摘みは雨でしたが楽しい経験ができました。

2010年10月30日土曜日

日本人の絶対的な弱み (OHSU19日目)

こんばんは、とうとう19日目です。英語の方は相変わらず苦労しています。最近、妻と話をしていて2人で気がついたことがあります。日本人のレジデントはアメリカのレジデントに劣っていないということです。私たちの病院はGFを全員がやると説明をしたところ驚かれました。
Biomedicalに関しても使っているツールがDynamedやUptodateなのでしっかり勉強していれば基礎知識は変わりない。あとは知識を自分調べる時間と、患者についての治療や検査検査プランについて調べた知識をもとにディスカッションし知識を定着させる時間、アテンディングの医師から適切なアドバイスをもらう時間の不足、すべては時間軸が関係している部分でしょう。
あと、もうひとつ絶対的な弱みは、日本のレジデントは劣等感が強いなあと思います。実際にアメリカに来てみると、Biomedicalな部分などは自分たちが英語を母国語としていたら、DynamedやUptodateを読むのなんて日本の教科書を読むのより安易だと思うんですね。つまり言語ができないということからくるハンディキャップからすべて自分たちが劣っていると思いこんでしまうところが大きいのかもしれません。もっとも、日本のレジデントは向上心が強ければ強いほど、自分の仕事を自分でしっかりと評価できないということも忘れてはならないところです。9割いい仕事、つまり社会の貢献度の高い仕事をしていても1割の失敗で時部は駄目だ、もっと努力せねば、、、他人より劣っているのではないかと感じてしまう人が多いんですね。
アメリカはちょっと違うんですね。1割間違ったけど9割も出来た、、、とか1割の失敗に気がつくことができて改善するきっかけになったと解釈することが多いんです。
日本はどうやら民族性なのかもしれませんが完ぺきであることが素晴らしいこと、そのために謙虚であることが素晴らしいことと子供のころから教えられるのが弱点ではないかなあと思うんです。幼少期からそのように教育されるので大人になっても自分の仕事がしっかりと評価できいない。完璧にできないことを謙虚にとらえることが美学であるから、出来た部分に目が向きにくいんです。
アメリカでは入院患者のカンファレンスでもレジデントが色々な意見をアテンディングにお話ししますが、Perfect!、Good!、That's right!、Exactly!、Not Bad!など極めて出来た部分をしっかりと分かるようにアテンディングは評価をしている。出来ない部分は出来ない部分でNot Bad!But ~is betterと振り返りをポジティブにしているんですね。日本の、あれもダメ、これもダメという減点方式がまさしく人を育てない、そして人を育てることができない人を育てる土壌になっているんです。そしてそれが最大の弱み何だなあと思いました。
日本の家庭医、悪い意味忙しくてしっかりとした教育を受けれていないところも多いけど、、、何よりもタフネスがあるし、一人の持ち患者数や外来でこなす数、内視鏡やエコーなどの技術、読影力などの部分は決してアメリカに比べて悪くないし、もっと自尊心を持ってもいいのではないかなあと思いました。
あとは、社会が家庭医をしっかりと評価出来れば家庭医をやっている人たちも自分たちの自尊心を維持できますし、仕事への満足感が高くなるのではないかと思います。多分数十年の規模での変化でしょうが、、、いつかそういう日が来るのを願いたいですね。

PS:本日は昼にGabriel parkのCLINICに行き初めてハロウィンパーティーに参加しました。
  患者受付の窓口に、アメリカンドックの着ぐるみを来たお兄さんが座っていてびっくりしました。

2010年10月28日木曜日

朝日、そしてレジデントミーティング (OHSU18日目)

今日は朝出勤し引き継ぎカンファ後に少し時間があったので病棟を抜け出して病院内の景色が綺麗なところへ、、、。思わずIphoneで撮影してしまいました。やはり山は綺麗ですね。富士を思い出してしまうところは日本人だなあと実感するところです。
午後はレジデンシーミーティングに参加、研修医だけになり研修医だけで研修の質を改善するために、教育環境がまもられていたか、研修で無理なスケジュールや危険な状況になってなかったかなどをレジデント全員で話し合っていました。
しっかりと意見をまとめ上層部と話し合い改善の方向に持っていく、研修の主体者が労働力として研修医を使う側の人間ではなく、研修の主体者は研修を受ける側にありそのために上層部は出来る限り改善に努めるというところが全く持って日本と違うし、自分の団体には無いところだなあと思いました。
研修という名のもとにへき地にや人の足りない病院に派遣されて働き続けるだけで、しっかりとした教育を受けられないという現状を何とかしなくてはならないなあと強く思いました。その為にはレジデント自体がネゴシエートする窓口を持つことが必要ですし、レジデントミーティング自体がユニオンのような役割を持ち研修の環境維持ために圧力をかけることができるものにならなければいけないと感じました。

ボーリングとボアリング (OHSU17日目)

今日も病棟研修、、、1日で大体いろんなことが分かってきたけど英語が分からないやっぱり暇です。日常会話は何とかなるんですが、病室の前で毎回行う10分前後のディスカッションはちんぷんかんぷんです。
Attendantの医師から「You looks boring」と言われたのですが、直前に他の事務の方とbowlingの話しをしたばっかりだったので飛んだ勘違いをしてしまい。とっさに「No!(私的にはボーリングなんて見てないよ)」と言ってしまいました。私的にはボーリングのことだったのですがなぜか文脈が向こうの聞きたい意図のように通じて「That's right! If you can not understand, you can stop the discussion and ask me」と言っていました。不思議な気分でしたがそのまま流して結果良ければすべてよしというところでしょうか?

PS:今私の英語力で分からないところですべて止めたら診療が終わらないので「Ask me」と言われても困っちゃいますね。
   本当はディスカッションに参加したいのですが、まとめて時間あるときに質問をすることにしました。

2010年10月26日火曜日

病棟実習の初日 (OHSU16日目)

今日は病棟実習です。朝の7時から夜の7時まで約12時間の業務です。業務といっても私はほぼオブザーバーですが、、、。

7時から30分、Night Floatの医師から日勤の医師へ引き継ぎが行われる。7時30分から20分間、退院カンファレンスを行い、それが終わり次第各々パソコンに向かい患者の情報収集、それが終わり8時を少し過ぎたあたりから全員でぼちぼち廻診しつつディスカッションをその都度行い治療方針や検査方針が決まっていく。病棟は大体8人くらいの入院患者がおり、一番多い時で18人とのことでしたが、本日は少なめの8人(うち新入院が3人)でした。一人の患者に費やす時間、、、これがすごい!大体30-40分くらいを1人に費やしていました。しかも、8人を3-4人の医師と2人の医学生でみており、マンパワーの違いにいつものことながらびっくりです。

日本では私たちは朝8-9時に個人で廻診(この際も短くて5分、長くて10分くらい)、何かする必要がある患者がいれば午前外来と午後外来の間の昼休みを削って診療、午後の外来が終了してから夜の6-7時にもう一度診察している。
一人で少ない時で5人、多い時で10数人の持ち患者でやっと病院が回っている。
それでも赤字になってるけど、、、、。

日本の現状を本日のAttendingを務めるDrにお話をしたら「Dangerous practice!」と一言、ひどい日は日勤から夜勤、次の日の日勤まで36時間働くとお話しすると「 Risky practive!」と笑われました。
実は危険な綱渡りを毎日しているんだなあ、でもそれで当たり前なんだ、、、と、、、思ってやっている。いつも思っているけど他人に言われて自分たちの気持ちを自己肯定できる自分たちがちょっと悲しいというか、、、我々の現状を否定的にとらえてくれたアメリカの医師の言葉で安堵感を得ることができて変に救われた気分になりました。

だめだ、今日は眠いのでもう寝ます

2010年10月24日日曜日

スカイプでレジデントミーティングに参加

今日は、、、と言いましてもアメリカ時間の午前1時過ぎに終わったのですが、スカイプでレジデントミーティングに参加をしました。
テーマは地域の見方、、、
膨大なテーマですね。
診療の中で地域らしさについて感じるエピソード(コメの収穫の時期は患者が減って暇になる、、、など)を思いだし共有する所から始まり、自分の人生、つまり0歳から今に至るまで住んでいたところ、住んでいた地域で感じたこと経験したことや印象に残っていることを書き出してみて、今の自分がさまざまなエピソードの積み重ねで出来上がっていることを認識するというステップを踏む。
その後に地域をみるという時に、地域を見ている時の自分は地域の人とかかわってから現時点までの経験が作りだした自分(もっと言うと生まれてから地域に移動するまでの自分の経験も組み込まれた自分)が見ているということを認識するという話しでした。

何だか難しい話ですね。
Aという経験をしてCという地域に出会うのとBという経験をしてCという地域に出会うのとでは同じCという地域でも見え方が違うということです。
つまりCを見るにしても今見えているCはAやBに依存するということで、AやBにはこの場合地域でのエピソードや担当した患者が含まれているという話です。
つまりCという地域がどのようい見るかということは、Cに出会うまでの自分の今までの経験とCに出会ってから現在に至るまでの地域での経験(エピソードや患者自体)が影響を与えているということです。
地域をみるという経験は、今までの自分自身の経験した人生と地域での経験(出会ったエピソードや患者)がInteractiveに作り出しているということなんですね。

どのようにこれを今後利用して行けばいいかわかりませんが、、、
地域を見るときに、自分自身の経験振り返る(Reflect on)事と地域での経験を振り返るという2軸でやってみるというのは面白いかもしれません。

ケロッグコーンフレークのサイズはXXI OHSU(15日目)

こんにちは、、、OHSU15日目の振り返りです。
金曜日は午前中はCHH(Centre for hearling and health)で研修でした。
今日ついた先生は、先週にうちの妻がポートランドのコミュニティーセンター(South WestnにあるCLINICで国から補助金がでており、お金がない人も急性期疾患の場合は受診できる。慢性期疾患の処方は出来ないらしい。)に見学に行った際にお世話になった先生でした。
医師と学生がチームで診療、学生はほぼ一人でどの患者に関しても問診と診察をすべて済ませてから医師の前でプレゼンテーションを行う。
その後に、簡単なディスカッションがあり医師と学生が診察を再び行う。最後に診察後に質問タイムがあり必要に応じてディスカッションやフィードバックを行う。
こちらの学生は3年生にして研修医1年目の終了~2年目くらいの実力は卒業前に備えている。
指導する医師は人によりけりだがEvidence toolやGuide line でがっちりと教育する人、あとは日本と一緒で耳勉で教える人とさまざまだがフィードバックにかける時間がしっかりと用意されている。
やはり医師の人数が違うことや患者が完全予約制であることが時間の確保につながっている様子で、学生さんに英語で「時には5分くらいししか診察できない人も日本にはいるよ」とお話をしたらびっくりしていました。
興味があったので1日に何人の医師がCHHで働くのかと聞いてみたら、、、医師は「良く分からない」と言っていましたが、横にいたMA(メディカルアシスタント)が「4チームでレジデントも含めると1チーム7-8人だから28-32人くらいかなぁ」みたいなことを話していました。

午後はオフだったので妻と一緒にAVIS(レンタカー)の任意保険、ALI(州の義務で保険は入っているのでカバーされる額が非常に少なく、対人対物の上限額をアップする必要があった)の加入のためにダウンタウンへ行きました。
ついでにPioneer Placeというショッピングセンターで買い物をしました。何だか安くてかわいい服がいっぱいで財布のひもがついついゆるくなり妻はたくさん服を買っていました。
「わ~い、アメリカにも、しまむらみたいなところあるんだねぇ」と妻と喜んでいましたが、買い物袋にForevere twentyoneと書いてあり、去年くらいに日本進出して話題になった店だと知りました。
どうりで、、、どの服のタグにもサイズのと所に「XXI」とかいてあり「こんなサイズ日本には無いよな、、、」と冗談でお話ししたのを思い出して2人で吹き出してしまいました。
この仕事をしていると世の中の動きや流行にホント、、、疎くなりますね。

PS:私は面白いTシャツがあったので買いました
  写真をアップします
  誰かのお土産になるでしょうか?

2010年10月22日金曜日

Psycho-socialモデルを含んだOSCEとFraility OHSU(14日目)

本日は朝から学生のOSCEをオブザーブさせていただきました。
医学部の3年生が対象者で1グループの10人がぐるぐると6ブースを回ってこなしていきます。
余った人はオブザーブ役だったり休憩だったりという感じ、、、。
他の大学は試験のような形で行うことが多いようですが、OHSUでは教育に主眼を置いているとのことで評価はあくまでフィードバックをかけるために行っているという印象でした。
1ブース10分でOSCEを行い2分でWrap Up、残り5分でフィードバックを行い、その後に移動という構成です。

私たちが大学時代に受けた教育と大きく違うところは無い様子(特に身体所見について)でしたが大きな違いは、Bad News Giving(肺のレントゲンで腫瘤が見つかった症例)やPatient Education(今回は禁煙について)の項目があり、Psycho-socialな部分のOSCEが含まれていた点だと思います。
英語で全部は分かりませんでしたがPatient Educationでは医学生がニコチンパッチやガムの説明をしっかりと行っていたり、Bad News Givingでは精査を拒否するバックグラウンドまで聞き込んでいたりとかなりハイレベルでした。やはり週5日のうち4日臨床現場にいるアメリカの医学部の3年生は日本の医学生よりも実践経験における差が歴然としている印象ですね。研修医教育も大事ですが、学生時代から「学問」ではなく「臨床」を教える教育が必要なのかもしれません。

午後はRichmond CLINICというところに行きGeriatricのHOME Visitをしている先生と往診にお出かけです。こちらの年寄りやそのご家族はFraility(脆弱な、はかない)という概念に対して理解があり、いわゆる加齢に伴い全身状態が弱くなっていくことが自然の経過であるという認識が非常に強いなあと訪問時の面談で感じました。

私個人のレベルで言うと日本では「出来ることがあれば予後が変わるか分から無くてもすべての処置を欲しい」「このまま何も手を尽くさずに死んで行くなんて受け入れられない」とお話しされるご家族をいっぱい経験してきましたから、新鮮というか、、、逆にやっぱり日本人て不思議な民族だなあと再認識しました。

経済的な問題から効果がないものにお金をかけてで無駄なことはしないというアメリカの医療は合理性においては徹底していますね。むしろ効果がないことに投資をするのではなく対症的な治療(Palliative Care)の方がQOLを高く維持できるという認識の方が、医療者側と患者側の双方にとってメジャーなものであるという印象でした。
後遺症や疾病そのものにより非可逆的な病状で自己決定能力の欠如した寝たきり患者のPEG造設後やFeeding tube挿入後の医療費を保険適応から外したらどれだけの医療費が削減できるだろうか、、、(計算した事ないけど、、、)
余命よりQOLを選ぶ時代が早く着たらいいのになあとつくずく考えさせられました。

2010年10月21日木曜日

Beheavioral MedicineとSBIRT OHSU(13日目)

今日は午前からBeheavioral Medicineの先生と面談、午後からResidency Meeting(いわゆるハーフデイバック)に参加しました。

アメリカに来て何をマネしようにも医療システムの根底である保険システムの違い、医師の数の違い、忙しさの違い、物量の違い、金銭の違いなどなど、日本では到底まねができないことばかりだなあとちょっと落ち込みかけていたのですが、、、今日は非常に一つそのまま真似出来そうなものがあったのでちょっとした収穫がありました。

SBIRTという方法でScreening,Blief Intervention and Refferal Treatmentを略しています。
簡単に言うとan evidence-based, effective method to intervene in alcohol and drug misuseということで、エビデンスベースのアルコールやドラッグ問題に対する介入方法です。
セッションではアルコールやドラッグについて扱いましたが、他の健康問題でも十分に対応することが可能だと思います。
もうちょっと勉強してまとめて日本でやれるようにしてみようと、ちょっとたくらんでいます。

Scappoose見学と小児科の健診について OHSU(12日目)

久しぶりに午前はフリー、午後はOHSUのサテライトのCLINICの中では一番遠いScappooseまで車で遠出してきました。
Scappooseに到着、まだ時間があったのでFred Myerというスーパーで時間つぶし、、、
しかし、、、こっちのスーパーはめちゃくちゃ広い。
食品売場から日用雑貨、電化製品まで何から何までスーパーにあるんです。
消しゴムと、トイレットペーパーを買うためにスーパーを彷徨うこと十数分、えらい時間が過ぎてしまいすぐに約束の時間の1時になってしまいあわててCLINICへいきいました。

診察内容は子供、、、といっても生後4日から7歳の子供、70歳代の高齢者まで多岐にわたっており非常にびっくりしました。
小児の健診、、、、もう忘れてしまったなあぁ、、、小児科のローテートはジュニアとシニアで合わせて6カ月したはずなのに、健診や予防接種の知識に乏しい自分にがっくりです。
もう一度、小児の健診は勉強しなおさないといかんなあと思いました。
CLINICにいた医学生(といってもおそらく40代か50代くらい)がいい本(アメリカ小児科学会[AAP]が出版するガイドライン)を持っていたので買ってみようと思います。
買いたくない人はテーマごとにPDFがAAPの学会ホームページにあるのでダウンロードして読んでみるといいと思います。

2010年10月20日水曜日

Geriatric MedicineとParkinson病の幻覚妄想について OHSU(11日目)

月曜日は1日中、老年医学の精神科につきました。
先週に半日お世話になった先生だったので顔見知りでコミュニケーションが楽でした。
面白かったのは最後の患者でParkinson病があり妄想幻覚が出てきた患者でした。
Parkinson病患者で入院させたら妄想幻覚がひどくて、Nrsサイドから苦情の雨あられが来るなんてこと経験したことありますよね。
抗精神薬には抗ドーパミン作用があるので妄想幻覚を抑えるために投与して逆にParkinson病の主症状である無動、固縮、振戦が悪くなることも心配です。
どの薬を使うのかと質問をしてみたところOranzapineをfirstで使うとのこと、、、
「Risperidoneはどう?」と聞いてみると「Ummmm、、Not bad.」とのことでした。
実際はどうでしょう?
Up to dateで調べてみました。
Management of comorbid problems associated with Parkinson diseaseという項目に記載があります。

妄想幻覚がひどい場合、中核症状の症状の悪化が考えられるがそれでも幻覚妄想を抑えるメリットが大きいと考える場合に投与している薬を抗コリン薬、amantadine、COMT阻害薬、DOPA agonistの順番で休薬、最後にすべてダメな場合にL-DOPA自体を減量することが推奨されている。

薬剤に関してはクロザピンとクエチアピンが非定形抗精神薬であるリスペリドンやオランザピン、定形抗精神薬のハロペリドールよりも中核症状症状の悪化がなく妄想幻覚を抑える作用がる。
しかしクロザピンは6か月を超える使用で致死的な顆粒球減少が起こる確率が上昇すること、そのため採血によるフォローが必要であることが述べられている。American Academy of Neurology (AAN)によればクロザピンはeffective、クエチアピンがpossibly effective、Oranzapineはineffectiveと記載がある。ただし使いやすさではやはりクエチアピンがFirst Choiceであるべきだと書かれている。

今までは私はよくリスペリドンを使っていましたが次回からはセロクエルを検討してみるのもいいかもしれないですね。
自分で調べてみると案外いろんな事実が発覚しますね、、、勉強になりました!

2010年10月18日月曜日

パンプキンパッチ

今日はFamily Medicineの事務で私たちの世話をしてくれる方の奥様と息子様が教会でコーラスをするとのことでお招きいただきました。
教会はとてつもなく大きな教会で舞台はコーラス(20人くらい)、ギター(2人)、ドラム(1人)、メインボーカル(3人)は構成されており本当にちょっとした舞台音楽みたいな感じでした。
歌はみんなジーザスとかハレルヤとか歌詞が入っており教会音楽でしたが、信仰のない我々が舞台としてだけで考えてもとても素晴らしいものでした。
その後は事務の方、その奥さま、我々夫婦2人で昼食を済ませて郊外の農場へ、、、
農場の周りはちょっとした渋滞で農場も大変混雑していました。
なぜこんな混雑するかというと、、、ハロウィンのためにかぼちゃをみんな購入しに来ており、その一環で農園で祭りのような催しが開催されているからです。
例えば、トウモロコシ畑に作られた大迷路だったり、子供用にポニーや馬に乗れるようになっていたり、簡単なメリーゴーランドのような遊具が設置してあったりという状態。
我々はトウモロコシ畑の迷路に挑戦しましたが、これまたかなり広大な畑で、、、実際は1時間くらい迷路の中をさまよっていました。
その後、事務の方の自宅に戻りパンプキンカービンぐをしました。
そう、あのハロウィンの時に家の前に飾ってあるかぼちゃをくり抜いてあるやつです。
妻は猫をイメージ、私はムンクの叫びをイメージしたものを作りました。
何だかすべてが人生初体験ですが、まさかパンプキンカービンぐまでするとは思いませんでした。
どのようなものが出来たかは、、、後日公開する予定です。
お楽しみに!

2010年10月17日日曜日

日本庭園(Japanese Garden)

今日はポートランドの日本庭園に行ってきました。
基本的には広大な敷地内に和風庭園がありいい感じなのですが、、、
やっぱりちょっと間違っているところがありました。
石碑が道のわきにあり、、、
「京まで三里」と、、、、

ポートランドからじゃ京まで三里はちょっと無理ですよね

2010年10月16日土曜日

NPってなんだ?No Particularじゃありません! OHSU(10日目)

今日は午前中はNPの方について研修です。

NPって何かって?

そうNurse Practitionarのことですが、日本では聞きなれませんね。
簡単な初期診断や処方などまでやってしまう高度にトレーニングされた看護職の事です。
詳細はここを参照にしてください。

実際について仕事をしてみるとほとんど医師と変わらない仕事をしており知識に関しても、多分日本のシニアレジデントより十分ありそうな感じです。
んじゃあどこが違うんだろうかと思ったので色々と聞いてみると、、、
「小外科的な処置や手術は医師は望めばできるけど、私たちはできないじゃない。そこが違いね」と英語で言われました。

おそらくですが、、、
「私はHTNの専門家ですのでそれしか見ません」
とか「私はDMの専門家ですのでそれしか見ません」
とか「私はHLの専門家ですのでそれしか見ません」
とか、、、

そんなことを言っている医師はNPが導入されてしまうと仕事を失ってしまうかもしれませんね。
専門医をたくさん雇うことで人件費がかさむ公立病院などの現状を考えると、こんな職種が日本でも認められたらいいのになあと思いました。
もちろんいろんな学会が反対するのでしょうけど、、、実際に診療に立ち会ってみると診察能力は折り紙つきだと思いました。

教育におけるInput-Outputと日本とアメリカの医療の根本的な違い OHSU(9日目)

OHSUの9日目は午前中は講義、午後はCHHで研修です。
講義は2コマで1つはスポーツ医学の講義で肩と膝の診察法の講義でした。
日本と違うところは講義の後にしっかりと2人組になって所見が取れるかどうかを練習する時間が作られており、教員がそれぞれのペアを回って指導したり質問を受けたりする時間が確保されていた点だとおもいます。
どの教育もInputだけでなくOutputがしっかりとしていますね。

もうひとコマはPalliative Careで症例を使ったロールプレイ、症例は動けなくなった高齢者、2人の子供と2人の息子がいて、ケアマネと医師を交えた家族会議を開き、最後をどのような場所で迎えるかについての内容でした。
HospiceについてのCriteriaなどがあったのでPEGやFeeding TubeについてのCriteriaやGuidelineはないのかと聞いてみましたが実際にはなく、やはりアメリカでもCase by Caseのようです。
やはりUniversal Careじゃないこと(つまり長生きすればするほど医療費が膨大にかかる)が無駄な延命の抑制につながっているので敢えてガイドラインを作る必要がないのかもしれませんね。

しかしアメリカと日本の医療の違いを考えるとやはり保険とは切り離して考えるのは難しいと思うことがしばしばです。
OHSUではすべての職員で3000人、Family Medicineの職員(医師、研究員、看護師、事務)の人数だけでもかなり膨大な人数です。つまりはそれだけPayできる収入が部署としてあるということなのかなあと、、、。言ってしまえばアメリカは金を払えない奴は見ないというシステムですが、、、Payできていないと地域の医療を支える診療所の経営や研修医の教育、その他の研究などに必要な医師の数も確保できないということです。

日本の場合、地域の医療を支える公立病院はほとんど赤字です。
Universal Care(国民皆保険)医療費が安く、無駄な入院(主訴:心配だから入院させてくれだの、、、家で見れないから預かれだの、、、)が多く、風邪などの無駄な受診が多い(特に時間外受診)。
それに対応するために医師が必要であるので人件費はかさんでいく、、、そしてまた赤字に加速がかかる、、、。
日本の医療崩壊は、医師や看護師が足りないということが原因の一つもあるがUniversal Careにより患者の出費が少なく、医療へのアクセスが経済的要因で制限されないことが原因の一つだろう。
Individual Insurance(個人で保険に入る)がいいというわけではないけど、Universal Careではありつつも保険料以外に年間で納める税収に応じた医療費の上限額を設定すること、受診時の重症度に応じた負担額の相違を設けることをしないと今後の日本の医療は継続性を保つのは難しいなあと感じました。

2010年10月14日木曜日

Beheavioral MedicineにおけるVideo Review OHSU(8日目)

昨日の夜は爆睡でした、、、大したことしてないのに慣れないことばかりだと疲れますね。
さて、今日の振り返りです。
今日の午後はBeheaviral Medicineのセッション、レジデント3人と指導医2人と我々夫婦2人(我が家は2人とも夫婦で家庭医なのです)でセッションでした。
基本的には実際の外来のシーンを音声とビデオの両方で収録、それをみんなで見てどうしてこういう風にお話ししたのか、その時どのように思ってお話をしたのか、どうお話をしたら良かったかをディスカッションしていました。
いくつかこちらから指導医の先生とレジデントに質問をしたのですが、どのくらいの頻度でセッションをするかについては1人のレジンデントにつき10回/12カ月とのことでした。
患者の同意については全員から得られるというわけではないみたいで、MA(Medical Asistant)が事前に書面で同意をとれるかチェックしてから外来をするとのことです。
日本でも一度やってみたいなあと思うのですが、なかなか同意をとるのが難しいかもしれませんね。
午後はPCM(何の頭文字だっけな、、、Patient Centered Medicineではない)というセッションで簡単な講義のあとにケースを使ってディスカッションやロールプレイをしたりします。
大体は倫理の問題を扱うもので今回はInformed Consentでした。
ケース1は25歳の医学生が胆嚢結石でLAPCをするというIC、ケース2は割礼をするかしないか子供の両親にICするケース、ケース3はHIVの患者の採血をした針で針刺し事故をした場合、(HBVは不明)の場合のHBIGの摂取と予防的Antiviralの内服のICでした。
ケースの1と2はディスカッションでいくつか意見を英語で言うことができてちょっとした進歩がみられたかな、、、と思います。


PS:講義が3時ころに終わったのでOHSUの病院から何枚か写真を撮りました。
      遠くの方にうっすらとマウントフットが見えます。日本の富士山そっくりですね。
  アパートに住みついている猫の写真も張っちゃいます。

2010年10月13日水曜日

週刊振り返りを海外でしてみる OHSU(7日目)

昨日は疲れてブログは書きませんでした。
代わりと言っては何ですが、、ちょっとした振り返りを作りました。
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振り返り(10月4日~ 10月11日)
研修目標 (Objection of the training)
・Understand how the med student and resident learn

・Understand how the FP(family physician) establish their position

        (What should we do in Japan in the future?)

経験した内容 (Contents you experienced)

・Meeting with Dr Talor ,Saultz

・EPIC Training.

・At CHH,I observed How Priceptors teach. 

・Visit Geriatric Psychiatric physician and have a small discuss.

・PCM(Conflict and tell the truth)

・Ground Round(Iron deficiency associate with ADHD RLS,and Touret etc)

議論・自己学習したトピックス (Topics you studied)

・Discuss why people in Japan make PEG for Older dementia who can not eat per oral

印象に残った出来事・気づき (Impressive or noticeable events)

・What I feel it is difficult(EPIC/Conference/Discussion) are from being not good at English

・Underlying difference between USA and JPN is from System of Insurance.

・In education,I can see the scene Preceptor and Student have many discussion.

・Preceptor teach not the only knowledge but also the way how to use it.

・Tools American doctor use in practice are same with Japan(Dynamed,Up To Date)

今週の評価できる点(Good points)

・Fist of all, I am Alive hire in America.

・ I passed the exam of Epic

今週の反省点 (Reconsiderations)

・English becomes me negative, although I actually have many question and opinion .

来週の目標 (Objection of the training for next week)

・Have more discussion and Ask one question in each session.

・Ask Preceptors which point does they focus, when they teach MED-Stu and Resident respectively.

・Take part in a English class. Clerk searched the free English lesson for us.

・Learn Behavior science and Smoking cessation.

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本日は留学生の教育担当の医師とも面談をして振り返りをしました。
やはり言語の壁については非常に理解をしていただけているようで、こちらの不安や伝わらない思いや、相手の思いを聞き取れないという残念な気持はお互い同じ何だなあと何となく感じました。
来週の目標で1つのセッションで1つ質問をするのはいいんじゃないかと、、、賛同いただきました。
 
あとは研修目標のどうしたら家庭医の地位を築く(評価を受ける)事ができるかとういう話についてお話をしたら「いい本があるから読んでみて、、、」と渡されたのはやはりText Book Of Family Medicine(Dr:Saultz著)でした。
 
めちゃくちゃ、分厚くてドン引きでした。最初の導入の所で130ページくらいありますのでちょっと無理そうですが「あなた日本に帰る前にクリスマスプレゼントで、読んだ本を返してよ」と笑いながら言われました。
 
日本にいたらまず読まなそうなので逆に頑張って読んでみようかと、、、、、。
ちょっと思いました、、、、、、、
いや、ホントちょっとですよ、、、ちょっとだけ

2010年10月10日日曜日

医学生に対するPreceptingを見学する OHSU(5日目)

OHSUの研修5日目、午前中はEPICという電子カルテの講座3回目、そして小試験でした。
残念ながら2度の失敗、3度目で合格、電子カルテをテスト患者を使っていじくった方がよっぽど覚えれるのに、、、と思いながらなかなか苦戦しやっと終了しました。

昼は昨日に会った日本人Drとランチの後に彼の外来へ診療に陪席させてもらいました。
本日はMedical Studentの1年生が一緒でした。会うなり「こんにちは、、、はじめまして」と流暢な日本語、こちらが驚いて絶句しているうちに「私の母は日本人です」というので納得しました。

彼は今は2年生で週に1回、臨床現場に出て教育を受けているとのことです。1年生の時からなので今はちょうど2年目になるくらいですね。学生とはいえやっていることはほぼ日本のJr residentと同じくらいのことをしている状態で、問診後に指導医にプレゼンをしてその後に指導医と一緒に診察といった感じ、、、。全部は分かりませんがプレゼンの内容は極めて的確かつ流暢で、びっくりしました。
日本のレジデントはプレゼンができない子が多いので、プレゼンの練習をしっかりとできるように方法を考えた方がいいかと思いました。

沖縄の米軍海軍病院のレジデントがやっているプレゼン方法がネットにあったので実際にJrレジデントに接するときに使ってみてもいいのかもしれないと思いました。あとはコレステロールはATPIIIのガイドラインを使ってリスクなどを説明しており、教育後に例をいくつか出してこの患者ならどうするとか、、、このケースはどうするとか、学生のころからより臨床でどのように知識を使うか、適応するかを教育しているところがすごいなあと思いました。

最後にAppendixitisの身体所見の感度などをやっていましたが、Essential Evidence Plusを使っていました。ベイズの定義、陽性尤度比、感度、特異度などを教えており我々が受けた医学教育よりも、より臨床で実践的な教育ができていると感じました。
最後に、電話番号を渡してお別れしお好み焼きパーティーをこちらにいるうちに開くので、よろしくお願いしますといったところ、、、。「Oh!、お好み焼き大好きで~す」と言っており、半分はアメリカ人で半分は本当に日本人なんだなあと、、、びっくりしました。いくら母が日本人でも、毎日が日本食じゃないわけですから、、、普通、お好み焼きはなかなかアメリカ育ちの子は知りませんよね?

2010年10月8日金曜日

今日の英会話

イグゾーストという言葉がたくさんCLINICで聞かれたのでこれをメモしておきます

基本的にExhaustは消耗するという動詞です
-edをつけて消耗させられる→使い果たす、使い尽くす、不毛にする→披露させられる
となるわけです

まず、遊びすぎ、働きすぎでちょっと疲れている時は?
I'm tired.「疲れてます。」

それを超えて、日本語で「疲労困ぱい」と言うくらい疲れた時は?
I'm exhausted「くたくた(疲労困憊)だよ。」

家庭医で初めてカイザーをしたという神様に会う OHSU(4日目)

今日はVice Chair(どうやら家庭医で初めてカイザーをした人らしい)と面談、いわゆる次期教授といった所と思います。
この方、非常に謙虚な方で「自分たちが日本に行ったらきっと日本語全然わかんなくてすごく苦労すると思うよ」と、とてもゆっくりなスピードでお話ししてくださいました。
途中でよくわからない場合は話を止めて色々と教えてくれました。
彼はMaternity Careが得意なFamily PhysicianでDelivelyもやるとのこと、手術もするんだとか、、、
自分の解釈するところ分娩の大体1/4をFamily Physicianがとっていてさらにそのうちの1/4がSugery Procedureが必要になるとのこと、つまり1/16の帝王切開もFamily Physicianがやっているとのことでした。
彼が最初に学び始めたころはFamily PhysianがObstetricsを教えることはなくObstotetrisianが教えていたそうです。今は彼のようなFP(以後Family Physician)がMaternity Careの中で教えるらしいです。
実際、Residentの3年とFellowになってからのオプションの1年でできるようになったとのことですからやはり3年から4年くらいは必要な感じですね。
日本でも参加でカイザーが一人でできるようになるのはそのくらいかもしれません。
その後はこちらかの質問で日本でFPが認められるようになるには、FPが介入したケースではコスト、治療成果とも有効であるというResearch(いわゆる研究)をしなきゃいけないと思うんだけどどう思う?と聞いてみたところ、、、びっくりする答えが、、、
「FPを専門として認知してもらうにはまず患者たちのTrustを勝ち取ることだ。患者たちが専門医に行くよりもFPにかかるメリットを自覚したらTrustを勝ち取ることができるだろうし、患者たちがFPをTrustしてくれたら国もFPをTrustしてくれるだろう」みたいな話をしてくれました。
何だか夢みたいな話ですが、、、とても崇高で神様みたいな意見でした。
それに追加して日本の家庭医の専門医の歴史はアメリカの歴史(1969~)に比べると40年遅れているわけだから、これからだよ、、みたいな感じのコメントをありがたく頂戴して終了しました

午後は、CCH(Centor for care and healing/いわゆる外来CLINIC)でStaff Drにふっついて外来見学、Circumcusion(割礼)もFPがしていてびっくりしました。
その後は、日本人医師のDr:Daisukeとともにfaculityを見させてもらいました。
基本は1年目:1人/45分、2年目:1人/30分、3年目:1人/15分で診察しており、1年目は診察後必ずPreceptorにプレゼンと検査や治療方針を相談、3年目はほぼ自立して診療するとのことでした。
今日はResidentからPreceptorにECGの事で質問がいっぱいありましたが、案外こちらのResidentがECGを読めないことにびっくりしました。
LVHのV5-6のStrain pattern、CRBBBのST-elevateなどIschemiaとの鑑別が非常に困難な様子、実際色々と話を聞いてみると日本の感覚よりIschemiaが圧倒的に多いようで、どうしてもST-changeにSensitiveになったりNervorsになりやすいとのことでした。
まあ、日本と比べればそれが妥当かもしれませんね。
あとはこちらのResidentも我々と変わらずUpToDateやDynamedで調べごとをしており実は日本人も同じResourceを使っているので、英語さえできれば彼らと遜色なくできるのではないかとも感じました。
ただし、自分で調べるだけというよりPreceptorが教えたり、知識をどのように患者に適応するかのディスカッションを重視することが日本よりもすぐれている点だなあと感心しました。

2010年10月7日木曜日

今日の英会話

今日はディスカッションでresponsibilityという言葉をよく聞いた

使い方①
You have (a) responsibility to yourself as well as to others.
他人に対してだけでなく自分に対しても責任がある
使い方②
take [accept] (full) responsibility for...
…の(全)責任をとる

PCM(Principle of clinical medicine)に参加する OHSU(3日目)

今日は午前中はDr:Taylor(前教授)とDr.Saultz(教授)とミーティングでした。
最初は家庭医療の歴史、どうやって今のポジションを確立したかなどを話してもらい、それから地図を取り出してオレゴン州の地理と人口の分散などを説明してもらい、オレゴン州の地域医療(いわゆるrural areaも含む)の説明をしてもらいました。大体、2人とも同じような話をしていた感じ。
午前の終わりの方はEPIC training(電子カルテの講習)の2回目とテストを行い、こちらも1回目に引き続き何とかpassしました。

午後からはFamily medicineの事務の方と一緒にPCM(主に臨床医学の原理や原則について講義しディスカッションをする)Ethicの講義に参加、Confidenciality and Giving the truth(15歳の女の子が淋菌性関節炎になって、それを病状を知りたがっている父親に説明すべきか?/17歳の高校生、進級に非常にプレッシャーを感じていて薬物[amphetamine]を常用している。両親は進級できないと殺すと高圧的に接してくる。親に事実を知らせるべきか?など)に参加しその後にスモールグループのディスカッションに突入しましたが、、、、。

やっぱりNativeの会話は早すぎる、、、全然ついていけません。最後にレクチャーが終わってから一番ちいちゃな女の子の学生さんが話しかけてきてくれて色々とお話し、どうやら日本に高校生の時に来たことがあるらしく京都や東京に行ったことがあるとのこと、寿司が好きとか刺身は大丈夫とか色々とお話ししました。名刺を渡して「妻がいるから土日で時間があればいつでも電話に連絡をもらえば私たちと一緒にご飯でもどう?」と話したら’Yes!’とお返事を頂きました。、、、が名刺には実は日本の病院の電話番号が、、、、初の友達ゲットと思いきや落ち度が、、、来週は妻が同じ講義に出ると思われるので、ちゃんと連絡を取ってもらえるようにお話をしておきました。

外国では何だか1つ1つが不自由で失敗ばかりです。
落ち込み気味ですがDepressionにならないようにうまくやっていこうと思います。

PS:今日は最寄りの日本食を売っているマーケットに行きました。
  店の中に紀伊国屋書店があり店員が日本人で「いらっしゃいませ」の言葉に思わず笑みがでました。
  日本語を聞いて嬉しいと思っているうちは英語はうまくならないかな?

2010年10月6日水曜日

Ground Roundに参加する OHSU(2日目)

本日はOHSUの2日目、いわば徐々に研修っぽいことが増えてきました。
妻は丘の上に立つOHSU本院からトラムというゴンドラで丘の下のCLINIC(CCH)まで降りてWmen's healthの研修、私は大学でGround RoundというLectureを受けその後はEPIC Trainingという電子カルテの講習です。
本日から別々の行動が徐々に増えてきて英語で不自由することの多い自分にとっては多少ストレスフルでした。
大学病院内のLecture Roomに行くと既に人が1人、2人、、、行動の前で講義の準備をする女性がおり、多分事務の人だろうと勝手に推測、「Can I Have A Seat?」と聞いたら「Yes,Of course!」とお返事を頂きさっそく座って講義を待っていました。
9時からなのにあまり人が来ないなあと思っていたら10分前くらいから続々とMedcical Studentが入ってきて、9時からどんぴしゃで講義が始まりました。
実は最初に話しかけた事務のおばちゃんと思っていた人がTeacherで、ちょいとびっくりでした。
講義内容は鉄欠乏とADHD,Restless Syn,Tourette synとの関係についてでした。
言葉が聞き取れたのは40%くらいでしたが内容はPower Pointのスライドがあったのでほとんど理解できました。
日本人でもBack Groundの知識があり、英語さえできればばアメリカのMedical Studentと実はそんなに大差はないのではないかと思いました。さすがにLecture後の質疑応答は難しくてあまり聞き取れませんでしたが、、、今後はそこが聞き取れるようになれればいいと思います。
Ground RoundはPwer Pointさえあれば聞き取れてる内容と実際の内容が確認できるので自分のListniningの勉強には非常に効果的だと思いました。
しかし、アメリカのMedical StudentはみんなNoteをとっておらず、Noteをとっている日本人の自分は本当に勤勉(?)だと思いました。それともみんな既に知っていることなのか、、、。
その後はEPIC traininngでしたが、これがまた大変でした。英語で電子カルテの講習をInter Netで受けてもなかなか分からず、かつ時間が非常にかかり、それでも何とか講習後のテストはPassしました。
午後、今日は4つのOHSUのCLINICを見学しました。それぞれ個性的でリッチモンド(Medicareなどカバーできる額の低い保険入っている人をおもな対象にしている。所得が低い人はほぼ100%免額になったりと経済力に応じて政府からの援助があり、政府からのお金がCLINICの財布に入る形になっている)にある低所得者を対象としたCLINICは我々日本人のFamily physicianが見ている患者層とも共通していて非常に興味深かったです。

あすはEPIC trainingの続編の講習があり頭が痛いですが、、、折角来たOHSUなのでストレスも楽しんじゃおうと思います。

PS:怪しい英語、怪しい行動が逆にまわりのアメリカ人を心配にさせるらしく、、、
  警備のおじちゃんや大学に食事を搬入している黒人のお兄ちゃんやらに道を教えてもらったりと色々と助けてもらってます
  誰だか分からないような外人にもOHSUでは結構みんな話しかけてくれて親切にしてくれます
  しかし町でしらないアメリカ人が話しかけてくるときは大体、Give me something to eat!という感じでHomelessだったりするので要注意ですね
  そんな場合は英語がわからない日本人を演じて通り過ぎると最高に効果的です

2010年10月5日火曜日

OHSU(オレゴン健康科学大学)の初日

今日はOHSU(オレゴン健康科学大学)の短期留学初日でした。
先週の木曜にポートランドについてからずっと事務の方に助けてもらったおかげで何とか初日を無事に過ごすことができました。
昨日一昨日と事務の方(1人はアメリカ人:、もう一人は日本人)がつきっきりでレンタカーのことやら部屋のインターネットの設定から、観光のことから、、、本当に感謝です。
先週の土曜日はアメリカ人の事務の方からパーティに招待していただいてポートランドの郊外へレンタカーで移動、だんだんと森が増えてきて一緒に招待を受けた妻と不安になりながら走ること約40分、到着したところはなんとなんと広い邸宅でした。
日本でいうところの豪邸で家面積のの3倍くらいの庭がありトマトやらピーマンやらたくさん作っていました。
隣人の日本人からの移住者の方とその奥様も(アメリカ人なのにえらい流暢な日本語)交えて色々とお話し、受験地獄というのにアメリカ人の奥様がNoといって反対したのをきっかけにこちらに住むようにになって、今はもうリタイアして楽しく過ごしているとのこと、、、。
先週はアラスカに釣りに行きサーモンを釣ったり、今週はポートランドの郊外のマウントフット(富士山くらいの山)で松茸を(Pine Tree Mushrooomとこちらでいうらしいです)とったりと本当に人生を楽しんでるようでした。
パーティでは釣ってきたサーモンから、松茸のホイル焼、松茸ごはんからご馳走になり、なぜアメリカで松茸?、、、と思いながらも舌鼓をしました。
帰り際には松茸のお土産まで頂きアメリカに来てなぜか日本の良さを確信したパーティでした。
PS:英語、、、本当に聞き取りが難しいですね
  妻はどうやら聞き取りができるらしく一緒にいるとどんどん話が進んで置いてかれてしまいます
  3か月でなれるのかどうか? 難しそうですがちょっとはアレルギーがなくなるかもしれません

2010年6月11日金曜日

君、死に給う事勿れ

実は先月に106歳のおばあちゃんの主治医になりました
そして今日は当直です
療養病棟に入院していたのですが食事がとれなくなり本日に惜しくも亡くなったわけです
生年月日を見ると明治37年でした
一体どんな年だったのでしょうか?
調べてみました
日露戦争開戦、ロールスロイスの創業、シベリア鉄道の完成、流行語は「君、死に給う事勿れ」、ヒット商品は森永のキャラメル、、、などなど

「君、死に給う事勿れ」が生まれ年の流行語とはいえ106歳まで生きれば天寿を全うという年ですね
106歳を看取る、、、貴重な経験でした感謝!そして感謝!

2010年5月31日月曜日

ふとした手紙

先日、肺炎の患者さんを入院で担当しました。通常の細菌性肺炎なんですがもともと直腸癌術後、肺転移で右肺を一部切除している方でUFTなどを内服しているという状態の人でした。
私にとっては普通の肺炎の患者だったんですけど、保険の書類と一緒に手紙が届いたんですね。私は記憶にはあまりなかったのですが「その後の生活をどのようにするかが大事!」と私がお話ししたみたいで、癌に向き合う姿勢が変わったというような旨が書いてありました。
きっと癌を抱えているけど癌で死なないで心筋梗塞になって亡くなった方もいるという話や脳梗塞になって亡くなってしまった方もいるという話をしたときだったのかなあ。もしくは侵襲的な治療を繰り返して寝たきりで生活するよりも寝たきりじゃない自由な生活も送ることがある程度は出来るという話だったのかなあ。
自分は何とも思っていないふとした事だったのかもしれませんが相手には大きな意味合いがあったということで非常びっくりしたと同時に、たまにはいいことあるなあとふと感じました。
こんなこと何年振りだろうか・・・。
今日も当直です。毎日いいことがないけどたまにいいことがあると続けていける気がしますね。
あすの朝まで、平和でありますように、、、おやすみなさい。

2010年5月29日土曜日

写真部、第1回活動

病院の福利厚生として私の勤務する病院ではサークル活動というのがあります。
上司の先生の影響を受けて1眼レフを買ってしまい、写真部に入ってしまいました。
先週は、その活動第1回がありました。活動といっても1年間の年間計画を考えた後に呑みに行っただけなんですが、、、写真って本当に楽しいですねぇ。
写真を撮るためには被写体が必要ですからどこかにみんなで遊びに行き交流しつつ写真をとって活動ができるわけです。
飲み会でもみんな写真をパシャパシャ取りつつ交流です。お店ででてきたお寿司の握りをみんなで撮影するという怪しい現象がおこり店の人からは怪しい集団と思われていたかもしれませんが当人たちはまったく関係なしですね。
最近のデジタル1眼カメラはアートフィルターなんてあって白黒に取れたり、セピアに取れたりとかなり進化していて私みたいなへたっぴでもかなり上手に取れるんですね。
今後も下手なりに頑張ってやっていこうと思います。

2010年5月19日水曜日

3か月に1度の振り返り

今日は3カ月に1度の振り返りを職場でやりました。
結論として半年ほど勤務して一通り病院の中で働くにあたり必要になった部分、、、
バイオメディカルについての知識、内視鏡などの技術、地域の医療資源については必要最小限が出来るようになった感じがしました。
一方で診療に余裕が出来ることで患者さんと病院の関係について疑問に感じることなどがいっぱい出てきて実際に診療しつつももやもやしていたり、いらいらして患者さんに優しくできなかったりとマイナス(?)な面に気がつくことができました。
具体的にどんなことが疑問なのかというと、病院に対するアクセスビリティーが良すぎることで地域住民にとってはいい病院になっているが本当に必要な受診かどうかを患者が考えるきっかけを奪っているのではないか、安易なアクセスビリティーが患者自身の抱える健康問題を自分の中で消化する方法を奪っているのではないかということです。
いつでも嫌がらずに患者をみる。専門にこだわらず適切な初療をする。病気だけでなく社会的に病を作り出す環境に介入する。当り前で当り前に出来ないことを、自分が勤めている病院の医師や看護師は当たり前にやっている。自分が今まで勤務してきた都心部の病院のスタッフ(自分も含めて)はやっていなかったことだと思います。
当り前のことを当たり前にするという事はとても大変なことなのに、実は大変なことをやっていても当たり前のことと思われて誰にも評価されないことがあります。むしろもっともっとやってくれと言われたり、、、時にまっとうな医療は余計な検査もしないし薬も使わないので儲かりません。儲からない医療をやったら赤字だと文句を言われてしまうなんてことも結構あります。特に公設民営の管理委託だとそのような傾向は強いのではないでしょうか?
人というものは本当に我儘だと思います。「医療や福祉を充実させろ!」でも「税金は増やすな!」とたくさんの人が主張しますが、その矛盾が紛れもなくそれがこの国の現状なのです。
他人の我儘を自分に置き換えて考えてみると、自分自身についても結局同じだったりもするのかもしれません。「この患者はだめだ!いつもいきなり来て無理な要求ばかりする」とレッテルを貼り真摯に向き合わないで診療している患者がいれば「この患者はしょうがない。ほっといたら本当にダメになってしまう。だってかわいそうだし、、」と親身に話を聞いて診療している患者がいます。どっちの患者も本来はなんらかの健康問題を抱えて受診しているわけなのに気に入る態度かどうか、同情できるかどうかで診療態度を変えているわけだったりするわけですね。結局は己のストライクゾーンに入ってきたかどうかということで大事にされる患者とどうでもいい患者に分かれてしまっているのが現状、、、自分自身、我儘な人間の一人だったんだ、、、と気がついた振り返りでした。

2010年5月18日火曜日

新緑の季節

こんばんは
久しぶりの投稿です
先週の土曜日は久しぶりに妻も自分も休みの日でした
実は我が家、一眼レフカメラを購入したばかり、、、とのことで車でドライブし新緑の山へ
車で40分ほどですぐに県境まで到着、利根川の上流の某温泉郷へ付きました
川沿いの道の駅で車をおりそこから数十分で回れるウォーキングコースへ、、、
カメラの設定や構図など、よく分かりませんのでカメラのAut Modeに従うのみでしたが景色が良かったのかカメラが良かったのかびっくりするほど綺麗な写真が撮れました
今までふつうのデジカメで撮影していたので、今の一眼レフの性能にびっくりです
今後も綺麗な写真が取れたらたまにアップしてみますね
では、、、

2010年5月11日火曜日

白癬菌の顕微鏡写真

こんばんわ!今日は水虫の患者が来ました。
「いや~先生、皮がむけて乾燥するとひび割れてあかぎれでかかとが痛いのよ」ということで診察してみるとひびはもうなくなっているけれども、、、爪白癬ががっつりです。
いやいやあかぎれじゃないって、、、たぶんこりゃ水虫でしょ、、、と思いつつ「あかぎれかもしれませんが水虫の可能性もありますので皮膚を顕微鏡でみてみますけど数分時間をもらっていいですか?」と聞いてみると待ってくれるとのことでした。この患者さん、一度こうだと決めたらなかなか解釈モデルを曲げず当院の医師が苦労してきただけに珍しく素直です。「あんたこりゃ水虫だよ」と言わなかったのが良かったのかもしれません。最初は爪すら靴下で隠して見せてくれなかったので本当にラッキーです。
ということで顕微鏡で除いてみると、、、いるいるカビだらけです。あまりにも綺麗で教科書みたいでしたので検体を残しておいて写真を撮影しました。
インターネットで検索してもなかなかいい写真が出ないので自分のブログにアップすることにしました。100倍だとスジが縦横無尽にはしっており何かでスクラッチしたように見えます。400倍になると菌糸や胞子が見えるようになります。白癬菌といえども自分で綺麗に撮影して予想よりもいい絵が取れると愛着がわきますねぇ、、、変な感じです。

2010年5月10日月曜日

病院広報の効果

以前、ブログにプレべナーの事を「子供手当は子供のために?」という内容で載せましたがその絡みで驚かされることがありました。実はあの内容をほぼそっくりそのまま病院の広報に載せたんです。
今日の外来に来た患者さん、「風邪症状が・・・」という感じのふつうの患者さんが入るなり広報を持ってきて「この原稿のこの部分は一体どういう意味ですか?」と質問をしてくるじゃないですか!
実は内容というよりも商標登録のマークでRを○で囲んだマークがありますよね。商品名の右肩あたりに小さく付いていると思いますがあれがどうやら気になったみたいなんですね。なんで気になるのかって聞いてみたら実は患者さん、手話の先生らしくて手話でマルアールを伝えるすべがなかったので困ったとのことでした。
質問の内容はワクチン自体についての内容ではなかったのですが、手話の先生が広報の内容を手話で教えているということにびっくりしました。
その他にも入院中の他の患者さんから「このワクチンは私みたいな大人には効果がないんかい?」という感じで質問があったりと広報のパワーに少しびっくりさせられました。
案外読んでないんじゃないかと思ったのですが結構目にしている人がいるという現実にびっくりしました。もっともっと色々な活動に利用できそうな気がしました。

シニアレジデントミーティングと研究

昨日と一昨日は東京でシニアレジデントミーティングがありました。
その中の一つのセッションで研究に関するものがありました。実は家庭医療学会の専門医認定の条件の一つに研究についての項目があります。シニアレジデントに研究を求めるのですからかなり高度ですね。
今までは信頼性の高い論文、RCTやmeta-analysisについてどうやって読むのかということを中心に教わってきましたが、RCTの向こう側ということを教わりました。
例に出たのはスピロノラクトンについての論文、RALES trialでしたが、この論文では心不全の患者の総死亡率をかなり下げることが記載されています。NNTが9ですからべらぼうに良いわけです。
ということでこの論文、当時のGPの先生方がこの論文を読むとスピロノラクトンを出さないほうが馬鹿だっていう感じになってしまうわけですね。ということでバンバンスピロノラクトンが出されたわけです。
ところがRALES後にスピロノラクトンを出された人のコホート研究をやってみると実は大変なことになっていたという話です。今現在スピロノラクトンが乱発されていないことを踏まえると大変なことというのが何かというのは察しがつくとは思いますね。
講師の先生いわく、研究を始めるということはRCTを踏まえてEBMにのっとって臨床をした場合に予期した結果通りにならないと思ったところから研究が始まるということを強調していました。
RCTはあくまで理想的な患者、理想的な環境で行われるので実際の現場での真のアウトカムが臨床の現場でどのように変化したか、現実世界でも同じ効果が認められるか、臨床現場でのアウトカムの関連はどうかということが問題になるわけです。
そういったRCTと臨床現場の橋渡しをする研究をT2 research(理想的な環境から現実世界へ、アウトカム研究、プロセス研究)といいます。その中でも先にあげた様なRCTの真のアウトカムがどのように変化したかを扱ったものをT2のOutcome研究と言います。RCTの結果を受けて現実の診療のプロセスがどう変化したか、現実の臨床医が実施可能かを扱ったものをT2のprocess研究といいます。先にT2からお話しましたがT1は何かというと基礎研究から臨床研究への橋渡しをT1 resesarch(コホート研究、症例対照研究)といいます。
いずれにしろRCTはあくまで理想的な患者、理想的な環境で行うわけで、実際の臨床はcomplianceの悪い患者がいっぱいいます。むしろcomplianceが悪い人が対照とも言えるような医療が地域医療だったりします。
へき地や地域の中核病で行う研究としては理想的な患者ばかりでないことが研究の始まりや強みだったりするのかもしれません。いずれにしろEvidenceを知らないと診療をしていても真のアウトカムが現実の臨床でどの様に変化したかが分からないので、研究課題を見つけるには普段から如何にEBMを実践しているかどうかが大事になるわけですね。
もっともっと頑張って、RCTを読んで臨床現場に結果を反映していく。今の自分にはまだまだ遠い話です。頑張れオレ、、、という感じですか、、、。
今週は水曜日の当直と日曜は日当直です、、、当直のない世界に行きたいと本気で思う今日この頃です。

2010年5月2日日曜日

プレべナー(PCV-7)の効果についてメタアナリシスを読む

今回は前回で紹介したとおりメタアナリシスを3分で読む方法に沿って読むことにします。
今回の文献はEfficacy of pneumococcal vaccination in children younger than 24 months: a meta-analysis. Pavia M, Bianco A, Nobile CG, Marinelli P, Angelillo IF.Pediatrics. 2009 Jun;123(6):e1103-10.です。

1妥当か

・メタアナリシスの課題は明確か?

PECOは?
P 月齢24か月未満の乳幼児
E 肺炎球菌結合型ワクチン(7価,9価,11価)を接種
 (月齢12カ月未満で3回もしくは4回の初回免疫接種)
C プラセボを接種、または他のワクチンを接種
O 侵襲性の肺炎球菌感染症(細菌性髄膜炎,菌血症,血液培養陽性の肺炎)、急性中耳炎、肺炎
Primary Outcomeは的確か?
的確である

・情報収集は系統的で網羅的か?

検索方法は?
論文検索は2000年1月から2008年の6月までの出版物から電子データベース(MedlineとEmbaseを用いて行った。未検出の論文を見つけるため電子データベースで検出された臨床試験や総説に関連する論文について手動の検索も行った。
英語論文以外は?非出版物は?
英語論文のみに限られている
手動の検索を行ったとあるが非出版物まで検索を行ったかどうかは不明である
・論文の採用基準、評価方法は適切か?
論文の採用基準はRCT(ランダム化比較試験)か? ITT(Intention To Treat)解析か?
採用論文はRCTである。Intention To Treat解析またはPer Protcol解析である
Reviewerは独立しているか?
2人のReviewerが独立してそれぞれの論文の質を評価しA jadad et al Scoreで評価している。最終的には2のReviewerがお互いの評価について話し合い、各々で評価に違いがあったものについては2人の総意を以てScoreを修正している。評価の段階では選択バイアスを防ぐため論文を除外することは避けた。

2何か

・結果の表はブログに画像でアップしますので興味ある方は参考にしてください!右の画像をクリックすると見れます
IPD(InvasivePneumonia Disease)については7価のワクチンを打った場合、7価によるものはRR:0.11,NNT:395、全ての血清型によるものではRR:0.26,NNT:379であった。95%信頼区間で考えると効果がない時でも7価によるものは73%イベントが減り、全ての血清型によるものでは54%イベントが減る。相対指標および絶対指標とも非常に有効な値であるしIPDによる高い死亡率を踏まえるとさらにその有効性が高く評価できる。
Otitisについては7価のワクチンを打った場合、7価によるものはRR:0.45,NNT:1799、全ての血清型によるものではRR:0.71、NNT:7であった。しかし全ての血清型に関してはPP解析のデータしかなく接種群とコントロール群の母集団数に差がありすぎてるので信頼性に足るものかどうかは疑問である。Otitisに関する全てのエピソード(実際には耳痛、熱発、耳漏などのエピソードで受診するわけだからこちらの方が臨床的には重要だろう)ではITT解析のデータがあるがRR:0.94で95%信頼区間で考えると最も効果がある場合で9%イベントを減らし、悪い場合だと4%しかイベントを減らさない。つまり7価のOtitisに関しては少しばかりは効果があるが、全ての血清型に対する効果は不明でありOtitisのエピソードに関しては効果若干はあるものの極少ないものと解釈していいだろう。
Pneumoniaに関しては7価と9価がごちゃ混ぜになった結果しかないのでごちゃ混ぜバイアスが入っている。ITT解析のデータがありRR:0.94,NNT:391とNNTに関してはワクチンとしてはそこそこ良好な値であるが、イベントをそのもの自体は大して減らさず95%信頼区間で考えると効果がない場合では2%イベントが減るのみである。Pneumoniaに関してはOtitisよりも更に少ない効果であると評価して良いだろう。

3役立つか

IPDに関してはその高い死亡率(WHO統計では全世界で100万人の乳幼児が死亡)などからしてもPCV-7は有効であると考えられる。日本での原価を約8000円として合計4回で32000円でこの効果ならコスト的にも良いと思われる。
Otitisに関しては7価のものでは若干の効果があり(論文中ではmodestと書いてある)、Pneumoniaに関してはOtitisよりも更に僅かな効果であると評価していいだろう。原著論文の結末ではOtitisとPneumoniaとも効果はさほどではないが乳幼児がこれらに罹患した場合の負担を考えると、実は潜在的に大きな意味があるのではないかと締めくくっている。あとは副反応だがこの論文中には副反応についての記載は含まれていない、日本国内における臨床試験では局所発赤などの副反応は多くみられたがアナフィラキシーなどの死亡に直結するようなものは認められていない(海外では報告あり)。
結論としてはコスト面や副反応やを踏まえてもIPDをここまで減らしてくれるのであればPCV-7を乳幼児に接種するメリットはかなり大きいと思われる。

2010年5月1日土曜日

メタアナリシスの読み方

先日、、、といってもこのブログが出来てすぐなので数ヶ月前になってしまいますがメタアナリシスを読んでみたいという風に書きました。
私が初期研修医のころに習った資料を簡単まとめてみましたので以下に載せてみます。

メタ分析とシステマティックレビュー
・メタ分析(分析の分析、1つにまとめて解析、定量的な指標に統合[オッズ比])
・システマティックレビュー(プロセスがEvidence Base、結果が統合されているかどうかは問わない)
メタ分析の問題点
・出版バイアス・・・悪い結果は出版されにくい
・評価者バイアス ・・・評価者の主観、誤り
・元論文バイアス ・・・元論文がランダム化、ITT解析でない
・ごちゃ混ぜバイアス ・・・異質なものを一緒にするとわけがわからない
歩きながら読む方法(3つの批判的吟味)
1.研究方法は妥当か?
2.結果は何か?
3.患者に役立つか?

1妥当か?

・メタ分析の課題は明確か
 論文のPECOは何か
 メタ分析の一次アウトカムは何か

・情報収集は系統的かつ網羅的か
 情報源は、検索法は?
 非英語論文は、未出版データは?

・論文の採用基準、評価法は妥当か
 治療の場合、ランダム化比較試験かどうか
 複数のReviewerが独立して評価しているか

2何か?

・研究仮説に沿って読む
・さまざまな指標で評価する
 相対指標 : 相対危険(Relative Risk:RR)
 絶対指標 : 治療必要数(Number Needed to Treat:NNT)
・確率的なものとして読む :95%信頼区間
・実数で評価する :治療群でのイベント率、プラセボ群のイベントなしの率

3役立つか?

1. 論文の患者と目の前の患者は結果が適用できないほど異なっていないか?  
 論文の患者と自分の患者を比較する
2. 臨床上重要なすべてのアウトカムが評価されたか?
 他のOutcomeをみる!
3. コストや害(副作用)を上回る効果が期待できるか?

最後:自分自身が提供した医療を批判的吟味する
・患者から十分な情報収集をしたか
・必要十分な診察を行ったか
・疑問点について能率的に勉強したか
・十分な情報提供をしたか
・自分の方針を押し付けていないか
・方針決定を患者任せにしていないか 第三者や患者の評価を受けたか

次回はこれにそってメタアナリシスを実際に読んでみます

2010年4月27日火曜日

曖昧なこと

こんばんわ!
今日は当直中の書き込みです。本日の再診外来での出来事です。外来診察中に看護助手さんがカルテに私の名前の書いた棒を挟んで持ってきました。「先生希望の患者さんですのでよろしくお願いします。」と看護助手さんにいわれました。
「んっんんん?」
「ちょっと待てよ?今日は再診なのに初診出来た患者が私を希望すれば私が見なきゃならいのだろうか」と思いカルテチェックをしました。過去に私の外来を予約したとか入院中に主治医になったとかそういうことは全然記録に有りません。風邪で数度見たくらいで今回も風邪のあとのいわゆるPost Infection Coughのようです。
思わず「いや、私は診ません」と即答してしまいました。結局、初診外来にはカルテは回らず以前に風邪で診察した私の上司の先生が診る羽目になってしまいました。
なんだか外来を予約しているわけでもないし初診で来て、しかも初診外来で診察に出ていない先生を指名する患者さんの言い分を受け入れている状況が非常に曖昧な感じがしました。
私の再診外来には仕事をお休みしたり、日程をずらしたりして来てくれている人が結構いますのでそういう患者さんの顔を思い浮かべると簡単に「いいですよ!私が見ます」なんて言えませんでした。残念なのはそういう患者さんが結局はどの先生の再診枠にも予約をとらず好きな時に来て好きな時に診てもらっている状況を許容することが本当に患者さんにとっても病院にとっても実はあまりいい方向には向いていということです。結局一度そういうことが許容されると毎回毎回初診出来て先生を指名する受診形態をとるわけですよね。慢性疾患のコントロールの場合はコントロールができない状況に陥りやすい状態です。
初診、再診にかかわらず「いいよ!いいよ!」と診てくれる病院、先生は患者さんにとっては良い先生かもしれませんが、本当にいい医療を提供出来ているかは不明です。病院に来なくなるよりはそんな形でも外来を受診してくれたほうがいい。でも患者さんが外来受診日を守る努力をすること(特に予約をした場合ならなおさら)は病気を管理するうえでは重要なことですし、予約をしてないのであれば毎回違う医師が診療に当たるというリスクを受け入れてもらうことも重要なことです。○○先生に診てほしいとごねた人が勝ちになってしまうなんてルールを守っている患者さんに失礼になっていしまいます。
曖昧にやっていくことで救われる部分も医師側にはたくさんあります。診断がつかない時、病状がうまく良くならない時に「年だからしょうがないよね先生・・・」「先生がやれるだけやってくれるんだしこれ以上難しい治療や検査をするのはもういいです・・・」なんて曖昧に済ませてくれる患者さんの家族がいて、そんな時はその曖昧さに救われているんだなあと思います。
どっちがいいかはこれだけでは言及できませんが非常に印象に残る出来事でした。曖昧さに困惑する医師、曖昧さに救われる医師、常に矛盾をはらんだ現場が地域医療なのかもしれません。

2010年4月25日日曜日

北国の春

今日は当直明けで妻と近所にドライブへ行きました。私の住む場所にもとうとう桜がちらほらと咲くようになってきたので桜を見に行ってみましたがまだ満開とまではいかないようです。
ちょいとばかし足を延ばし、私の住む町から少しばかり標高の低い隣町へ行くと桜がきれいに咲いているじゃないですか!
数週間前まではスキー客でにぎわっていたスキー場の真横の道に桜並木があり綺麗に色づいています。
雪が少し残っている地面や遠くに見える雪のかぶった山と桜が対称的で美しいですね。関東にいたころには雪と桜を同時に見るなんて思ってもいませんでしたのでとても幻想的でした。
あと地面にはあちらこちらにフキノトウがありました。こちらのスーパーではフキノトウが山程うっているのですが地元の人からしたらあちらこちらに生えているので、とくに珍しいものでもないんでしょうね。
フキノトウのてんぷら、○○円なんて書いてお店で売ってますが、実はほぼ原価はただというのを考えると少し残念な感じです。

2010年4月23日金曜日

学生さんの実習が終了

札幌医科大学から当院に実習に来ていた学生さんの実習が昨日で終わりました。こちらは医師6年目で学生さんに色々と指導する立場(?)を期待されていたのですが、学生さんの質問でこちらが逆に勉強することが多かったです。
学生の視点からの現場の捉え方や自分も疑問に思っていたのに忘れかけていた新鮮な質問は本当にありがたいですね。
今後も学生さんが来てくれるとこちらも元気が出て仕事も楽しくなり相乗効果が期待できそうです。
来週からは学生もジュニアの研修医もおらず少し寂しい状況です。常勤医師も1人減で連休の当直も大変そうですが自分なりに頑張っていこうと思います。

PS:当院がある甲信越地域も桜がとうとう咲きました!春ですね~
  そのうち桜の写真upします

2010年4月19日月曜日

お久しぶりDKA!

久しぶりにDKAの患者が運び込まれてきましたが管理方法がほとんどすっ飛んでいました
ということでDKAの輸液管理についてまとめました

輸液
開始時(下記を血漿グルコースが<250mg/dlになるまで継続する)
・生理食塩水を1L/hr(15-20ml/kg/hr)で投与

・輸液負荷をどうするか決める

軽い低血圧で血清Naが正常の場合
→0.45%塩化ナトリウムを200-700ml/h(4-14ml/kg/hr)で投与
軽い低血圧で血清Naが低い場合
→通常の生理食塩水を200-700ml/hr(4-14ml/kg/hr)で投与
Hypovolemicショックの場合
→生食もしくは膠質浸透液を1L/hrで投与
Cardiacショックの場合
→血行動態を把握するためにスワンガンズカテなどでモニタリング

・一度、血漿グルコース≦250mg/dlになった場合
0.45%の塩化ナトリウム、5%ブドウ糖液に変更し150-250ml/hrで投与
(0.45%塩化ナトリウム500ml+50%ブドウ糖液50ml⇒大体3号輸液+50%ブドウ糖液40ml)
安定するまで血漿グルコースを2-4hr毎にチェック


・ボーラスで0.15U/kg(50kgで7.5U)を経静脈投与
・その後は0.1U/kg/hr(5-7U/hr)で持続静注
・血漿グルコースが50-70mg/dl/hrで低下しない場合は持続静注速度を2倍に変更
・血漿グルコース≦250mg/dlになるまで継続投与、その後は1-2U/hrで投与

電解質(主にカリウム)

・K<3.3mEq/Lの場合
インスリンを継続しつつ40mEq/hrの速度でK≧3.3mEqになるまで補正

・3.3 mEq/L≦K<5. 0 mEq/Lの場合
インスリンを継続しつつ20-30mEq/LでKを投与
血漿Kを4-5mEq/Lに維持する

・K≦5 mEq/Lの場合
Kを投与しない
2hr毎に血漿Kをチェック

※ハーフソディウムはT3、ハーフソディウムと5%ブドウ糖混合液はT3Gでほぼ代用出来そうです

2010年4月17日土曜日

脂漏性皮膚炎は検査が必要か?

今日の外来での出来事です。診断名、湿疹でずっとステロイドを出されていた患者さんが来ました。主治医は決まっておらず薬が無くなるたびに初診外来にひょっこりと顔を出していつもの塗り薬といつもの血圧の薬をくださいといって薬のみもらいにくる田舎の診療所に有りがちのタイプの人です。

診察室に入るなり「いつもの薬を・・・」といっていましたが以前に私が見たときと一目瞭然で違うところがありました。顔の皮疹が以前はなかったような気がしましたが今回は顔が赤くなっています。

う~ん、鼻梁をまたいでいるけど紅斑というには辺縁が明瞭ではないしSLEの好発年齢でもない。よくよく見ると額、特に眉間や鼻から口へかけての皺のちょうどある辺りが赤くなっています。
ステロイドを塗ると良くなるからステロイドをくれと言いますが、良くなっては悪くなりなんだかひと癖ありそうな感じです。

実はこれって脂漏部位に一致して皮疹があるんじゃないだろうかと思い頭皮を診察、すると頭皮は落屑がたくさんあります。ぬぬ!これは脂漏性皮膚炎だ!ということで抗真菌薬を処方しました。

すると陪席していた学生さんが「先生は油を餌にしてカビの仲間が増えるっていいますけど真菌の検鏡はしなくていいんですか?」と質問をしてきました。

確かにカビなのに検鏡しないのはおかしいなあ、水虫のときはしているのに脂漏性皮膚炎はしないのかというのは鋭い質問ですね。

・・・ということで調べごとです。Dynamedで「seborrheic dermatitis」という言葉で検索するとDiagnosisの項目にこうありました。
・clinical diagnosis
・usually no testing needed
・HIV testing should be considered in patients with severe generalized seborrheic dermatitis

訳すると
・臨床的に診断しなさい
・テストは不要
・シビアな場合はHIVのチェックをしなさい
ということでした。

(頭部の場合)
軽症の場合、フケ用のシャンプー(Zn入りまたはコールタール入り)
中等症から重症の場合は抗真菌薬入りのシャンプー
重症の場合は抗真菌薬の塗り薬に加えてステロイドの塗り薬を使用
(頭部以外の場合)
イミダゾールのクリーム
早く治すためにはイミダゾールに加えてステロイド(Mild)の塗り薬
14日以内にステロイドの塗り薬をやめて、その後は治るまでイミダゾールを続ける

今回の答えとしては、検鏡はいらないということがわかりました。
治療としては顔面に関してはMildのステロイドを14日以内で追加して使用したほうが良かったかもしれませんね

明日学生に教えてあげることにしました。
ちょっとは指導医らしく株が上がるでしょうか?

2010年4月15日木曜日

子供手当は子供の将来のため?②

さて前回の投稿に引き続き、ここからが本題です。ちょっとばかり医者っぽいこと話しちゃいます。将来の子供のために貯金すると言いますが、それだけで将来は本当に大丈夫ですか?自分ながら本当に怖いことを言ってしまいました、、、スイマセン。


分かりやすく例え話をします。老後はゆっくりと隠居暮らしするために昼夜を問わず一生懸命働いて、働いて、、、いざ退職してみたら病気をして隠居生活が闘病生活になってしまったなんてことよく聞きますね。実は将来を考えるためには今の健康のために検診を毎年受けたり人間ドックを自分で受けたりという投資が必要なわけです。お子様についても同じことが言えるんじゃないでしょうか?将来子供たちが大きくなって無事に過ごすには病気という多くの矢玉の間を掻い潜っていく必要があるのです。そのために必要なものが予防接種だったりするわけですね。

ということで、今回は私の勤務する病院で新しく始める予防接種を紹介します。乳幼児用の肺炎球菌ワクチン(商品名:プレベナー®)を今年度から始めることになりました。肺炎球菌によって引き起こされる疾患として代表的なものに菌血症/敗血症、髄膜炎、細菌性肺炎、中耳炎があります。WHO(世界保健機関)の統計では世界では肺炎球菌感染症により毎年約100万人の乳幼児が死亡しているという報告があります。しかし近年、肺炎球菌感染症はワクチンで予防可能な疾患の代表的なものとして考えられるようになりました。特に、肺炎球菌によって引き起こされる髄膜炎は、ほかの菌の場合と比べ重症化する場合が多く、40%以上が予後不良であることが報告されています。2000年より肺炎球菌ワクチンを小児期の定期接種ワクチンとして導入した米国では、導入前と比較し、肺炎球菌による髄膜炎、菌血症の発症が94%減少したことが既に確認されています。

接種の方法は、初回は2カ月齢以上7カ月齢未満で開始し、27日間以上の間隔で3回接種します。追加免疫は通常、12~15カ月齢の間に1回接種します。つまり合計4回の接種になります。 1回に8500円(私の勤務する病院ではこの位の額で行いますが全国的に見ても格安の値段です。)だとすると合計4回の場合でも最大で3万4千円です。年間15万6千円の子供手当の約1/5の出費で肺炎球菌による髄膜炎、菌血症の発症が94%減少するわけです。残りの4/5を貯金に出来て肺炎球菌による感染症から子供を守れたら素晴らしいことだと思いませんか?

なんだか製薬会社の請負みたいな感じになってしまいましたが肺炎球菌ワクチン、個人的にはお勧めです。

子供手当は子供の将来のため?①

ところで今日は医療とはあまり関係なさそうな話になりますが子供手当のお話をしてみようと思います。
子供手当とは言いますが皆さんどんな制度か知っていますか?正式名称は「平成22年度における子ども手当の支給に関する法律」といいます。簡単に制度の内容を説明すると15歳の4月1日の前日まで子どもの保護者に毎月2万6千円を支給するという制度です。ただし、初年度(2010年度)のみ月額で1万3千円となるということです。

今年は初年度ですから月額1万3千円ですが、年間に直してみると1人の子供あたり15万6千円の収入になります。何だか夢のような話ですねぇ。

でも、ちょっと待ってくださいね。お金は空から降ってくるわけでもないしそんな都合のいい話はないんじゃないかと思ったそこのあなた、正解です。年間にすると初年度で2兆2500億円、翌年からは倍の4兆5000億円ほど予算が必要になるわけですよね。それってどこから来るんでしょうか?

扶養控除と配偶者控除の廃止で浮いた予算を充てたり、補正予算の子育て応援特別手当を停止して浮いた予算を投入しても結局のところ2兆2500億円には到底足りません。結局「んじゃあ、いつものツケで宜しく」ということで赤字国債になるわけですね。

賢明な皆さんはご存知かと思われますが、ツケといっても何かを後回しにするとそのツケは必ずやってくるものなんです。夏休みの宿題、後回しにしたら結局夏休みの最後の日に徹夜をする羽目になったのを思い出しますねぇ。大体私はそういうタイプでした。「子供手当は子供名義の借金つけ回し政策だ」と偉い(?)政治家さんは言いました。「そう言っちゃうか、それ言われちゃうとな~」って胸にグサッと来たお父さんお母さん方がいっぱいいるんじゃないでしょうか?

いや、そんな事はない。子供手当は「子供の将来のために積み立てや貯金をしようと考えている」というお父さんお母さん、そんなあなたは本当に偉いと思います。実際は世の中の53%の方々が貯金するということを考えているようです。

でもね、貯金されてしまっては政府の考える景気対策には一切ならないんですね、、、残念!
貯金を増やすには景気が良くならなきゃならない、でも景気を良くするには貯金をせずに市場にお金を落とす必要がある。意図したこととは違う方向に事が進んでしまうという意味ではちょっと痛い制度ですね。

世の中、常にダブルバインド、矛盾だらけということでしょうか?
ということで今日はここまでにします。

第2回は本題についてお話します。

2010年4月7日水曜日

舌が黒くなったという人

骨の帝王の原著を読む、、、で投稿して以来の書き込みです。4月に入りちょっと心を入れ替えて投稿です。ところで皆さんは舌が黒くなったという人が受診してきたことって経験がありますか?
実は私は1例だけ経験があるのですが今回はとうとう2例目に遭遇しました。舌が黒くなって一度治ったがまた黒くなったとのことで「悪い病気じゃないか?」と心配になり来院したようです。
外来で混雑していたときだったので横着しちゃいけないと思いつつ、必殺!googoleで検索してみると黒舌症というのがあるじゃないですか!
原因は①抗生剤、長期使用、細菌(Candidaなど)、コーヒー、タバコ、薬品、食品中の着色料②慢性衰弱性疾患③酸化剤、アストリンゼン剤を含むマウスウォッシュの使用④頭頚部の放射線療法があり、基本的治療には原因を除去することが基本のようです。
更に更に、uptodateで調べるとBlack hairy tongueという記載がありました。病理学的には糸状乳頭の過形成が起こって舌が毛状に肥厚し黒色に見えるいるみたいです。原因を除去する以外に舌を柔らかい歯ブラシで1日に2から3回くらい歯磨き粉をつけて舌をブラッシングすることで改善するという記載がありました。(Am Fam Physician 1990;41:1751. Black Hairy Tongue 参考)
今回の症例を通じて黒舌症は実はあんまり心配はいらない病気だということとがわかりました。次回は歯磨き粉をもちいた指導が出来そうです。

2010年3月25日木曜日

骨の帝王について、原著を読む!

昨日は薬屋さんの勉強会がありました。内容は私がいつも悩んだ挙句に処方しないビスフォスフォネートについてでした。とうとう国産のものが認可されたとかどうとか、、、骨の帝王ということでボノテオと覚えてくださいって言われました。んで、、使うかどうかは名前はどうでもよくて、結論は骨折を防ぐのかどうかってことですが、お薬屋さん曰く骨折の危険性を59%減らしたという。つまりRelative risk は0.59ということですが、なんか胡散臭い感じですね。んじゃNNTはどうよってことで聞いてみると7.42ってことでした。他のビスフォスフォネートがすべて10~20代をうろちょろっていう結果なのでおかしいと思い調べてみました。

PubmedのClinical Queriesで「Minodronate japanese」で検索すると
Osteoporos Int. 2009 Aug;20(8):1429-37. Epub 2008 Dec 20.にEffect of daily oral minodronate on vertebral fractures in Japanese postmenopausal women with established osteoporosis: a randomized placebo-controlled double-blind study.
という論文がありました。

PECOを立ててみると、、、

P 704人の閉経後の女性で骨粗鬆症の既往がある人
E 1mg/dayのminodronateを飲んだ群(359人)
C プラセボ群(345人)
O 24か月の経過観察期間における新規の椎体圧迫骨折の累積罹患率

ランダム化割り付けされているか?→computerでランダム割り付けされている
ITTか?→methodにはITT解析と一応書いてある?
盲検化されているか?→double blind(二重盲検)である

ITTかどうかが怪しいですな・・・どうも胡散臭い!

Fig1をみるとEntry Crieria ViolationProtocol violationが理由で除外されたminodronate群343人、プラセボ群331人でITT解析したとあるが・・・実際に24カ月にわたってcompleteにstudyに参加した人間はminodronate群253人、プラセボ群239人で実はかなりの数が脱落している。脱落理由は、Voluntary withdrawal,Adverse Effect,Protocol violation,Treatment failure,Lost to followingで12か月の時点で残ったのがMinodronate群で271人、プラセボ群で263人であった。そこからさらに残りの12カ月でVoluntary withdrawal,Adverse Effectが理由で脱落した人が出てcompleteにstudyに参加したminodronate群253人、プラセボ群239人となっている。

う~ん、結局脱落した人が最終的な検定に含まれていないみたいでインチキITT解析になっているみたいです。

24か月の時点でのNNTは1/0.24-0.104=7.42となっておりお薬屋さんのくれた情報と一緒でしたが・・・。
Table2にある最終的な解析時のminodronat群とプラセボ群のそれぞれが0か月の時点では339人と328人、24か月の時点で253人と239人となっている。これは脱落者が0の時点、24カ月後で脱落者が出た後の段階の人数を記載したFig1の記載と違っているのも疑問である。

①NNTは正しく出ているが、ITT解析がしっかりできていない可能性が高いこと
②実際の解析時の数字が、Fig1の記載と違っていること

どうやらこの二つが胡散臭さの原因みたいです。

実際の解析時の数字とFig1の数字に相違があるのはどういうことなのか、EBMの師匠に聞いてみたいと思います。自分で調べろって逆に怒られたりして・・・(笑)

2010年3月23日火曜日

関サバ関アジ、そして別府よさようなら!

さて、昨日は別府にとどまらず宮崎県の高千穂峡、大分の竹田湧水群まで行ってきました。夜は別府市の豊後牛ステーキ屋で夜食を食べて露天風呂付きの部屋で一泊、妻も私も大満足でした。

今日は連休の最終日で東京に帰らねばなりません。血の池地獄に寄り、杵築の武家屋敷を見て回りました。昨夜、旅館のマッサージのお姉さんがうちの妻に教えてくれた情報で実は大分空港の寿司屋がとても美味しいらしいとのこと。お宝なんでも鑑定団の出演者で「いい仕事してますね~」が口癖の某先生が、関サバ関アジだけを食べるだけのために大分空港を利用するとのことで、我々も行ってみました。

非常にこじんまりとした店が空港の3階にあり板さんが2人、カウンターの中で仕事をしていました。上握りを頼んだのですがこの中には関サバ関アジは入っていないとのことで自分と妻で1貫ずつ注文しました。青魚独特の臭みが全然なく身がしまった感じがしました。関アジなんて本当にこれはアジなのか良く分からなくなってしまうくらいの味です。関サバはサバのあの臭みが全くありません。私は大丈夫ですがむしろ本当にサバが好きな人はあの臭みがないと逆にサバを食った感じがしないんじゃないかと思うくらいの鮮度の良さでした。あまりのうまさに私も妻も追加で1貫づつ、大分を去る前に美味しい寿司を食べれて良かった。

明日は私は当直です。短い時間だったけど別府楽しかったなあ、、、また妻と一緒に温泉入ってゆっくりしたいと思いました。
豊後牛、関サバ、関アジなどの食べ物、温泉、夜景などの昭和の匂いのするノスタルジックな町が最高でした。

2010年3月22日月曜日

別府




昨日は強風の中、羽田から飛行機が飛ぶのかすら怪しい中、なんとか大分便が30分遅れで出発し大分につきました。



大分は空が青く、前日はなんと気温が29度まで上昇する夏日だったとか・・・


市街地では桜がすでに咲いていました





温泉街の中にふる~い温泉の建物もあり昭和的なレトロな町でした。



関サバや関アジも食べておいしかったぁ~



やはり羽伸ばしは大事ですね~!今日は高千穂まで遠距離ドライブ後に別府で温泉宿です。



では、これから出発!

2010年3月21日日曜日

子供の皮膚が黄色いということ・・・

さて、前回に書きました子供の皮膚が黄色くなるという現象についてですが色々と調べてみました。一般的に医者が皮膚が黄色いと聞くと「黄疸」をイメージして肝胆道系疾患を思い浮かべるものですが、子供でそういった病気は稀です。
では、どんな病気があるのでしょうか?う~ん、困ったらGoogleですか?BMJ(British Medical Journal)にはGoogle(英語版)で8割近くまで正しい治療法までたどり着いたという論文があるくらいです。きっと知らない病気についても引っかかってくれるはず。「子供」「皮膚が黄色い」で検索すると、ありますあります「柑皮症」っていうやつが、、、英訳して「Carotenemia」という語句でDynamedで検索すると色々記載がありました。
原因は、βカロチン(特定のフルーツや野菜に含まれるcarotenoid)のとりすぎ、その他にカロチンの代謝異常があるみたいです。こいつが細胞内の脂質に取り込まれて皮膚に沈着すると皮膚が黄染するということらしいですね。
あくまで一部の報告ですが、体重減少、衰弱、低血圧、肝腫大、無月経、好中球減少などが合併症であるみたいで、高脂血症に糖尿病、甲状腺機能低下症、妊娠、拒食症を伴って発症することがあり、その他に腎疾患(とりわけ慢性糸球体腎炎)、肝機能障害を伴うことがあるとのこと。
基本的には手掌、足の裏に多く、黄疸との見分けは眼球結膜が黄色くないことが大事みたいです。
鑑別に必要な検査は250μg/dlよりも多く血性のβカロチンがあること、除外しないといけないものは黄疸、リボフラビン血症、白血球減少、化学物質もしくは薬による皮膚黄染があり、必要な検査はβカロチン、Vit-A、肝機能、甲状腺機能、、、まあ、怖い病気は除外しておけということかな。病気の予後は基本良性なので大丈夫、治療については食事を変えること、乳児の場合は食事が多様なものに変化したら勝手に治るので放置、高脂血症がある場合は積極的に治療すること、何よりも大事なのは両親を安心させ無駄な検査を防ぐことと書いてありました。
次回の健診ではきっと両親を安心させるお話が出来そうです、、、っていっても同じ悩みが毎回来るわけないか、、、。

2010年3月20日土曜日

3歳児健診

今まで小児科の先生がいらっしゃって乳幼児健診をしていたのですが、今月の末からはいらっしゃらなくなるようで私たち地域家庭診療部がやらないといけなくなりました。
小児科は合計6カ月ほど研修を受けたのですが、乳健は苦手だったなぁ。大体いつも午後に乳健が入っていたのですが決まって午前に緊急入院がありオーベンから「先生、悪いけど入院さんよろしく~」って感じで病院に置いていかれていたのであまり経験がありません。院内外来で行う乳児ちゃんの検診は結構やりましたがなぜだか3か月健診が多かったんでそこらくらいは大丈夫でしょうか、、、。
今回は3歳児の健診です。一応、教科書などを読み一通り勉強したのですが結構項目が多くて大変そう。上司の先生と一緒にまずはやらせてもらい「まあ、本当に大きな異常がある子は3歳児検診までに引っかかってるから・・・」ということで数件見てから私にタッチしました。
何だか上司の先生が「何歳?」と聞いても黙ってた子供達が自分に替わったら「3ちゃい!」と言うじゃないですか、やっぱり母親と同じくらいの歳のおじちゃんのほうがきっと父親と同じくらいの歳だしなじみがあるのでしょうか?それとも私が子供っぽいのでしょうか?何だかラッキーです。
上司の先生の言うとおり診察上は殆ど以上が無かったのですが母親の質問で答えられないことが一つありました。「この子じゃないんですけど上の子の皮膚が黄色いんです」と、、、色々と考えた挙句、「今まで乳幼児スクリーニングをやって採血で引っかかってなかったりしたなら大丈夫じゃないでしょうか?目が黄色いとかそういうことは無いんですよね。ミカンとかたくさん食べたりしたら黄色くなるらしいですけど一般的には問題は無いと思いますよ」とお話ししました。一応、母親は安心したみたいですが実際に黄色い皮膚になってしまうとはどういうことなんでしょうか?もうちょっと詳しくお話しできたらいいような気がしました。
次回は皮膚が黄色くなることについて調べてみようと思います。