本日は朝から学生のOSCEをオブザーブさせていただきました。
医学部の3年生が対象者で1グループの10人がぐるぐると6ブースを回ってこなしていきます。
余った人はオブザーブ役だったり休憩だったりという感じ、、、。
他の大学は試験のような形で行うことが多いようですが、OHSUでは教育に主眼を置いているとのことで評価はあくまでフィードバックをかけるために行っているという印象でした。
1ブース10分でOSCEを行い2分でWrap Up、残り5分でフィードバックを行い、その後に移動という構成です。
私たちが大学時代に受けた教育と大きく違うところは無い様子(特に身体所見について)でしたが大きな違いは、Bad News Giving(肺のレントゲンで腫瘤が見つかった症例)やPatient Education(今回は禁煙について)の項目があり、Psycho-socialな部分のOSCEが含まれていた点だと思います。
英語で全部は分かりませんでしたがPatient Educationでは医学生がニコチンパッチやガムの説明をしっかりと行っていたり、Bad News Givingでは精査を拒否するバックグラウンドまで聞き込んでいたりとかなりハイレベルでした。やはり週5日のうち4日臨床現場にいるアメリカの医学部の3年生は日本の医学生よりも実践経験における差が歴然としている印象ですね。研修医教育も大事ですが、学生時代から「学問」ではなく「臨床」を教える教育が必要なのかもしれません。
午後はRichmond CLINICというところに行きGeriatricのHOME Visitをしている先生と往診にお出かけです。こちらの年寄りやそのご家族はFraility(脆弱な、はかない)という概念に対して理解があり、いわゆる加齢に伴い全身状態が弱くなっていくことが自然の経過であるという認識が非常に強いなあと訪問時の面談で感じました。
私個人のレベルで言うと日本では「出来ることがあれば予後が変わるか分から無くてもすべての処置を欲しい」「このまま何も手を尽くさずに死んで行くなんて受け入れられない」とお話しされるご家族をいっぱい経験してきましたから、新鮮というか、、、逆にやっぱり日本人て不思議な民族だなあと再認識しました。
経済的な問題から効果がないものにお金をかけてで無駄なことはしないというアメリカの医療は合理性においては徹底していますね。むしろ効果がないことに投資をするのではなく対症的な治療(Palliative Care)の方がQOLを高く維持できるという認識の方が、医療者側と患者側の双方にとってメジャーなものであるという印象でした。
後遺症や疾病そのものにより非可逆的な病状で自己決定能力の欠如した寝たきり患者のPEG造設後やFeeding tube挿入後の医療費を保険適応から外したらどれだけの医療費が削減できるだろうか、、、(計算した事ないけど、、、)
余命よりQOLを選ぶ時代が早く着たらいいのになあとつくずく考えさせられました。
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