2010年3月25日木曜日

骨の帝王について、原著を読む!

昨日は薬屋さんの勉強会がありました。内容は私がいつも悩んだ挙句に処方しないビスフォスフォネートについてでした。とうとう国産のものが認可されたとかどうとか、、、骨の帝王ということでボノテオと覚えてくださいって言われました。んで、、使うかどうかは名前はどうでもよくて、結論は骨折を防ぐのかどうかってことですが、お薬屋さん曰く骨折の危険性を59%減らしたという。つまりRelative risk は0.59ということですが、なんか胡散臭い感じですね。んじゃNNTはどうよってことで聞いてみると7.42ってことでした。他のビスフォスフォネートがすべて10~20代をうろちょろっていう結果なのでおかしいと思い調べてみました。

PubmedのClinical Queriesで「Minodronate japanese」で検索すると
Osteoporos Int. 2009 Aug;20(8):1429-37. Epub 2008 Dec 20.にEffect of daily oral minodronate on vertebral fractures in Japanese postmenopausal women with established osteoporosis: a randomized placebo-controlled double-blind study.
という論文がありました。

PECOを立ててみると、、、

P 704人の閉経後の女性で骨粗鬆症の既往がある人
E 1mg/dayのminodronateを飲んだ群(359人)
C プラセボ群(345人)
O 24か月の経過観察期間における新規の椎体圧迫骨折の累積罹患率

ランダム化割り付けされているか?→computerでランダム割り付けされている
ITTか?→methodにはITT解析と一応書いてある?
盲検化されているか?→double blind(二重盲検)である

ITTかどうかが怪しいですな・・・どうも胡散臭い!

Fig1をみるとEntry Crieria ViolationProtocol violationが理由で除外されたminodronate群343人、プラセボ群331人でITT解析したとあるが・・・実際に24カ月にわたってcompleteにstudyに参加した人間はminodronate群253人、プラセボ群239人で実はかなりの数が脱落している。脱落理由は、Voluntary withdrawal,Adverse Effect,Protocol violation,Treatment failure,Lost to followingで12か月の時点で残ったのがMinodronate群で271人、プラセボ群で263人であった。そこからさらに残りの12カ月でVoluntary withdrawal,Adverse Effectが理由で脱落した人が出てcompleteにstudyに参加したminodronate群253人、プラセボ群239人となっている。

う~ん、結局脱落した人が最終的な検定に含まれていないみたいでインチキITT解析になっているみたいです。

24か月の時点でのNNTは1/0.24-0.104=7.42となっておりお薬屋さんのくれた情報と一緒でしたが・・・。
Table2にある最終的な解析時のminodronat群とプラセボ群のそれぞれが0か月の時点では339人と328人、24か月の時点で253人と239人となっている。これは脱落者が0の時点、24カ月後で脱落者が出た後の段階の人数を記載したFig1の記載と違っているのも疑問である。

①NNTは正しく出ているが、ITT解析がしっかりできていない可能性が高いこと
②実際の解析時の数字が、Fig1の記載と違っていること

どうやらこの二つが胡散臭さの原因みたいです。

実際の解析時の数字とFig1の数字に相違があるのはどういうことなのか、EBMの師匠に聞いてみたいと思います。自分で調べろって逆に怒られたりして・・・(笑)

2010年3月23日火曜日

関サバ関アジ、そして別府よさようなら!

さて、昨日は別府にとどまらず宮崎県の高千穂峡、大分の竹田湧水群まで行ってきました。夜は別府市の豊後牛ステーキ屋で夜食を食べて露天風呂付きの部屋で一泊、妻も私も大満足でした。

今日は連休の最終日で東京に帰らねばなりません。血の池地獄に寄り、杵築の武家屋敷を見て回りました。昨夜、旅館のマッサージのお姉さんがうちの妻に教えてくれた情報で実は大分空港の寿司屋がとても美味しいらしいとのこと。お宝なんでも鑑定団の出演者で「いい仕事してますね~」が口癖の某先生が、関サバ関アジだけを食べるだけのために大分空港を利用するとのことで、我々も行ってみました。

非常にこじんまりとした店が空港の3階にあり板さんが2人、カウンターの中で仕事をしていました。上握りを頼んだのですがこの中には関サバ関アジは入っていないとのことで自分と妻で1貫ずつ注文しました。青魚独特の臭みが全然なく身がしまった感じがしました。関アジなんて本当にこれはアジなのか良く分からなくなってしまうくらいの味です。関サバはサバのあの臭みが全くありません。私は大丈夫ですがむしろ本当にサバが好きな人はあの臭みがないと逆にサバを食った感じがしないんじゃないかと思うくらいの鮮度の良さでした。あまりのうまさに私も妻も追加で1貫づつ、大分を去る前に美味しい寿司を食べれて良かった。

明日は私は当直です。短い時間だったけど別府楽しかったなあ、、、また妻と一緒に温泉入ってゆっくりしたいと思いました。
豊後牛、関サバ、関アジなどの食べ物、温泉、夜景などの昭和の匂いのするノスタルジックな町が最高でした。

2010年3月22日月曜日

別府




昨日は強風の中、羽田から飛行機が飛ぶのかすら怪しい中、なんとか大分便が30分遅れで出発し大分につきました。



大分は空が青く、前日はなんと気温が29度まで上昇する夏日だったとか・・・


市街地では桜がすでに咲いていました





温泉街の中にふる~い温泉の建物もあり昭和的なレトロな町でした。



関サバや関アジも食べておいしかったぁ~



やはり羽伸ばしは大事ですね~!今日は高千穂まで遠距離ドライブ後に別府で温泉宿です。



では、これから出発!

2010年3月21日日曜日

子供の皮膚が黄色いということ・・・

さて、前回に書きました子供の皮膚が黄色くなるという現象についてですが色々と調べてみました。一般的に医者が皮膚が黄色いと聞くと「黄疸」をイメージして肝胆道系疾患を思い浮かべるものですが、子供でそういった病気は稀です。
では、どんな病気があるのでしょうか?う~ん、困ったらGoogleですか?BMJ(British Medical Journal)にはGoogle(英語版)で8割近くまで正しい治療法までたどり着いたという論文があるくらいです。きっと知らない病気についても引っかかってくれるはず。「子供」「皮膚が黄色い」で検索すると、ありますあります「柑皮症」っていうやつが、、、英訳して「Carotenemia」という語句でDynamedで検索すると色々記載がありました。
原因は、βカロチン(特定のフルーツや野菜に含まれるcarotenoid)のとりすぎ、その他にカロチンの代謝異常があるみたいです。こいつが細胞内の脂質に取り込まれて皮膚に沈着すると皮膚が黄染するということらしいですね。
あくまで一部の報告ですが、体重減少、衰弱、低血圧、肝腫大、無月経、好中球減少などが合併症であるみたいで、高脂血症に糖尿病、甲状腺機能低下症、妊娠、拒食症を伴って発症することがあり、その他に腎疾患(とりわけ慢性糸球体腎炎)、肝機能障害を伴うことがあるとのこと。
基本的には手掌、足の裏に多く、黄疸との見分けは眼球結膜が黄色くないことが大事みたいです。
鑑別に必要な検査は250μg/dlよりも多く血性のβカロチンがあること、除外しないといけないものは黄疸、リボフラビン血症、白血球減少、化学物質もしくは薬による皮膚黄染があり、必要な検査はβカロチン、Vit-A、肝機能、甲状腺機能、、、まあ、怖い病気は除外しておけということかな。病気の予後は基本良性なので大丈夫、治療については食事を変えること、乳児の場合は食事が多様なものに変化したら勝手に治るので放置、高脂血症がある場合は積極的に治療すること、何よりも大事なのは両親を安心させ無駄な検査を防ぐことと書いてありました。
次回の健診ではきっと両親を安心させるお話が出来そうです、、、っていっても同じ悩みが毎回来るわけないか、、、。

2010年3月20日土曜日

3歳児健診

今まで小児科の先生がいらっしゃって乳幼児健診をしていたのですが、今月の末からはいらっしゃらなくなるようで私たち地域家庭診療部がやらないといけなくなりました。
小児科は合計6カ月ほど研修を受けたのですが、乳健は苦手だったなぁ。大体いつも午後に乳健が入っていたのですが決まって午前に緊急入院がありオーベンから「先生、悪いけど入院さんよろしく~」って感じで病院に置いていかれていたのであまり経験がありません。院内外来で行う乳児ちゃんの検診は結構やりましたがなぜだか3か月健診が多かったんでそこらくらいは大丈夫でしょうか、、、。
今回は3歳児の健診です。一応、教科書などを読み一通り勉強したのですが結構項目が多くて大変そう。上司の先生と一緒にまずはやらせてもらい「まあ、本当に大きな異常がある子は3歳児検診までに引っかかってるから・・・」ということで数件見てから私にタッチしました。
何だか上司の先生が「何歳?」と聞いても黙ってた子供達が自分に替わったら「3ちゃい!」と言うじゃないですか、やっぱり母親と同じくらいの歳のおじちゃんのほうがきっと父親と同じくらいの歳だしなじみがあるのでしょうか?それとも私が子供っぽいのでしょうか?何だかラッキーです。
上司の先生の言うとおり診察上は殆ど以上が無かったのですが母親の質問で答えられないことが一つありました。「この子じゃないんですけど上の子の皮膚が黄色いんです」と、、、色々と考えた挙句、「今まで乳幼児スクリーニングをやって採血で引っかかってなかったりしたなら大丈夫じゃないでしょうか?目が黄色いとかそういうことは無いんですよね。ミカンとかたくさん食べたりしたら黄色くなるらしいですけど一般的には問題は無いと思いますよ」とお話ししました。一応、母親は安心したみたいですが実際に黄色い皮膚になってしまうとはどういうことなんでしょうか?もうちょっと詳しくお話しできたらいいような気がしました。
次回は皮膚が黄色くなることについて調べてみようと思います。

2010年3月16日火曜日

ナイター万歳!温泉万歳!



私の住む町では昨日の夕方から雨が降り夜には雪になりました。一瞬、晴れ間が見られたのでナイターへ行きひと滑りしましたが、雨を吸った雪は重くてスキーのテールが引っかかって何度か転倒しました。ショートターンの練習をしてみましたが本当に難しいですねぇ。DVDを見ただけではイメージが湧かないので良く分かりまあせんね。
でもナイターで一瞬でた晴れ間はとてもきれいでしたよ。


スキーの後は自宅へ戻り洗濯物を回して再び車で外出し、昔はとても栄えてゆーみんが毎年コンサートを開いたスキーリゾートがある町へ行きました。車で走ること30分、さすが標高が高く降り始めた雨はすぐに雪へ、町へ到着するときには外気は-2度で雪がうっすらと積もっていました。


30分掛けてわざわざ何をしに行ったかというと、、、私の大好きな大好きな温泉です。私の住む町の温泉は単純泉が多いのですが、隣町(というか集落というか・・・)のこの温泉は硫黄泉でかなり鉄分が多く含まれており茶褐色で白濁しています。非常に濃厚な感じでザ温泉とでもいいましょうか・・・。やっぱり温泉はスキーで転んだ体に沁み渡りますなぁ。当直で来れない妻には申し訳ないと思いつつ閉館時間前に貸し切り状態でお湯につかる私でした。
ナイター万歳!温泉万歳!
PS:こちらは今日も雪が降っています。おかげでスキー場の雪はもう少しだけ長持ちしそうです。

シニア終了試験

3月13/14日で団体内の家庭医療シニアレジデントの卒業検定がありました。ポートフォリオの読み込みによる評価以外にも、救急・一般外来・EBMのOSCEがあり、かなり難易度は高そうです。
EBMのセッションでは患者の個別の問題からPECOを立てて、論文検索を行い原著を読み批判的吟味をしてから個別の患者に適応するというプロセスをチェックするみたいです。
最近は忙しさにかまけてdynamedやUp to dateを読むだけで済ませているので原著を読むのはあまりやっていないなあと自分自身を振り返ることが出来ました。
でも、原著を読むのは大変ですね!読まなきゃいけないと分かりつつもついついEBM toolだけで逃げてしまう自分がいます。
自分が卒業検定を受けるためのトレインとして週1本?・・・いや2週に1本ですか?それでも大変ですが徐々に読んでいかないといけないですね。
RCTはある程度読めますがSystematic reviewなどをしっかりと読めるようになりたいです。
今後は頑張って原著まで・・・あくまで目標ですよ・・・目標・・・(笑)

2010年3月14日日曜日

上腕骨骨折はどうする?

今日は、日当直です。夕方にスキー外傷が1件ありました。リフトで尻もちをつくときに後ろに 手をついたら突然の激痛に襲われたとか・・・。 受傷機転からも上腕骨顆上骨折がすでに怪しいです。
診察してみると神経障害はなさそうですが、屈曲制限あり、関節腫大もかなりでした。これはいっちゃってるなと思いつつ右肘関節2方向をレントゲンで撮影、自分で撮影しなきゃいけないのもこんなちいさな病院の特徴ですか・・・。
正面を撮影した時点でバッキリと上腕骨顆上骨折を発見、関節内にまで骨折線がしっかりとありました。
骨折の基本は転位があればすぐに整復し固定するのですが、この人は伸展位でないと疼痛が強くてどうしようもありません。どうしましょうか・・・看護師さんと悩んだ末に、伸展位で固定しすぐに整形外科を受診し整復をするようにと紹介状を持参させました。
さて、そもそもはどの治療が正しいのでしょうかということでまたもや調べごとです。本によって違いますがプライマリ・ケア整形外来マニュアルBruce Carl Anderson著では上腕骨骨折は大きく2つにわけるとあります。頸部近位端と骨幹部骨折は多くは保存的に治るためこの2つが一つのグループで、顆上骨折は複雑で肘関節を含むので観血的固定術をするとのことでした。
カラー写真で見る骨折、脱臼、捻挫、羊土社、内田淳正編をみると治療は肘屈曲位(90度以上が転位像悪を防ぐのに有効)でのギプス副子固定3~4週間、転位がある場合は牽引療法による保存的加療や麻酔下での徒手整復が適応になるとある。比較的速やかに整復を行い、腫脹や浮腫の軽減を量り、神経麻痺や循環障害を避けなければならないとのこと。
救急処置としては屈曲位で副子固定が有用であるとのことですが、転位があり腫脹が強い場合は循環障害の危険性がある屈曲位は避けて肘関節伸展位の状態を保つほうが安全であるとの記載もありました。
いずれにしろコンパートメント症候群やVolkmann拘縮には要注意であるとのことで、転位が強い状況や骨折部周囲の腫脹が強い場合は早急な整復固定が必要なので整形外科に紹介するのが良いみたいですね。
今回の症例は軽度の転位でしたが腫脹が強く循環障害や神経障害が危ぶまれたかもしれません。疼痛が強く屈曲位をとれずにやむを得ず伸展位で固定して専門医に紹介したのですが、偶然とはいえある程度は正解に近い結果で一安心です。
これから東京に帰って整形の専門医を探すって言っていたけどみつかるかなぁ、土日で時間外なので東京都の救急相談ダイヤルを教えておきました。

2010年3月13日土曜日

スキー教室

今日は妻と二人で某スキー場へ行ってきました。昔はS○IBUグループがやっていたらしいですが破綻してしまい。今年からまた復活したスキー場です。大手企業が昔やっていただけあってスキー場内のベースキャンプの建物は大きく飲食店がたくさん入っていました。
ボーゲンからパラレルへなかなか上手くならない妻の悩みを改善すべく二人で今日は初めてグループレッスンというのをやることにしました。インストラクターが実は当院の横の健康増進施設でアクア体操をやっている先生でびっくり、いったいどっちが本業なんじゃ~って思いました。
一緒に習ってみて結構出来るつもりでいたことが出来ていなかったり新たな発見がたくさんありました。教え方もさすがプロ、こうやって教えているんだ~と感心することがいっぱいありました。足の親指からかかとで面を感じるというようなエッジの乗り方の指導法はなるほどと思いました。
2時間ばかりのレッスンでしたが私自身もカッコよく、妻もまだぎこちないところはありますがパラレルが出来るようになっていました。
目指せ20年後、シニアの大会!とのことでちょっとは近づいたかな?
明日は日直、当直で連ちゃんですが、来週の日月火は一日有給を使ってお休みをいただき3連休にして大分に旅行に行きます。それを楽しみにして日当直、来週の業務も頑張るぞ~という感じですね。
関サバ、関アジ、楽しみです。

2010年3月12日金曜日

雪まつり




町内で毎年行われている雪まつりで雪像コンテストがあるらしいのですが、今年は中止となりました。毎年病院で参加していたとのことですが今年はなくなってしまいそれじゃ寂しいとのことで病院独自に敷地内を雪で作った灯篭でライトアップしてみました。


ゴミ箱に雪を入れてひっくり返し、スコップでホジホジして中にロウソクを立てること57個、私が仕事を終わって手伝いに行ったときにはすでに殆ど終わり状態でした(ゴメン!)


日が暮れて見に行ってみるととてもきれい。当院の自称写真部(?)の先生が撮影した写真をブログに載せる許可をもらいましたのでアップしてみます。


来年こそは自分も作るところからやりたいなあと思いました。

尿管結石について・・・

昨日は当直で結構大変でした。早朝6時、尿管結石で入院していた患者さんが多呼吸で苦しそうだとのことで病棟から連絡を受けて診察しました。
呼吸数40~50/分、尿はIn:1600mlに対してOut:400mlと少なめで喘鳴経度あり、、、うぬぬ!これは、、、尿が出てない!心不全かと思いレントゲンを撮影してみましたがさっぱりCTRは大きくなってないし胸水もない。入院時の採血を見てみると炎症所見が高く腎機能も悪い。そうだABGだ、、、ととってみると代謝性アシドーシスがバリバリでした。酸素化はいいのに多呼吸、そんなときは代謝性アシドーシスが隠れているんですねぇ。結局は結石が通過しなくて敗血症性ショックと腎不全による代謝性アシドーシスということで病院から1時間先の基幹病院へ転送となりました。
ところでどのくらいの尿管結石であれば自然落下を期待できるのでしょうか?、、、いやだいやだ、、、また調べごとです。
Up to dateで調べると「Diagnosis and acute management of suspected nephrolithasis in adults」という項目の更に「Stone passage」に以下の記載がありました。
①2mm以下 5%が介入が必要 自然落下には平均8.2日で95%が31日以内に落下
②2mmより大きく4mm以下 17%が介入が必要 自然落下には平均12.2日で95%が40日以内に落下
③4mmより大きく6mm以下 50%が介入が必要 自然落下には平均22日で95%が39日以内に落下
他の文献でも
       ~1mm未満だと87%が自然落下
2mm以上~4mm未満だと76%
5mm以上~7mm未満だと60%
7mm以上~9mm未満だと48%
        9mm以上だと25%
結石の位置にも影響され、近位尿管だと48%、尿管膀胱移行部だと79%自然落下する

簡単にまとめると5mm以上だと自然落下はフィフティフィフティということ、場所は遠位尿管だと落ちやすいということですね。

それを踏まえたアルゴリズムの表を発見!

X線陽性結石で5mmより小さい場合→hydrationをかけて自然落下を期待
自然落下しても最初の評価時に水腎や多発する結石であったら2週間以内にエコーで評価
自然落下しない場合は泌尿器科的精査

X線陽性結石で5mm以上の場合→最初から泌尿器科的精査
鹿の角状の結石の場合、経皮的結石切石術やESWLを検討
腎杯もしくは上部尿管の場合、ESWLを検討
遠位尿管の結石の場合、経尿道的に砕石術をするかESWLを検討

X線陰性結石の場合、尿酸結石として対応し点滴や疼痛管理
クエン酸カリウム(ウラリットとか)で尿のアルカリ化を検討

この患者さんの場合は右の尿管膀胱移行部で10mm以上、自然落下の可能性の高い一致ではああるけどサイズ的には可能性が低いということでした。
アルゴリズムに当てはめると経尿道的にやるかESWLの適応ですかねぇ
ただし腎盂に鹿の角状に大きな結石があり経皮的切石術などの適応も考えなくてはいけないかもしれません。
ちなみに自然落下を期待してCaブロッカーやαブロッカーを使うこともあるみたいです。

専門医にコンサルトするタイミングとしては敗血症、急性腎不全、無尿それらに加えて改善のない痛み、吐気、嘔吐がある場合、外来患者の場合は10mm以上の結石、内科的に経過を見たが通過しない結石でとりわけ4mm以上で疼痛がコントロールできていないものに関しては専門医に相談するのが良いみたいです。

きっと次回は役立てるはず、、、いい勉強になったぁ~。

2010年3月10日水曜日

お好み焼きパーティー


昨日は地域医療実習で北海道から来られている学生さんの実習終了の送別会をしました。お好み焼きを医局で作り、正式には作ってもらい。みんなで美味しく頂きました。どうやら当院のセンター長が大学時代に通っていた非常に美味しいお好み焼き屋が京都あるらしく、味をまねて作っているらしいです。上新粉などを入れて作ったお好み焼きは外はカリ中はふわもちっとした感じでとても美味しく頂きました。こんなに美味しいお好み焼きが自宅で食べれたらわざわざ外には食べに行かなくなってしまいますね。

学生さんも2週間ほどでしたが介護実習、薬局実習、訪問看護、訪問診療、リハビリなど充実した実習だったようです。自分が学生のころは地域医療実習がなかったので、当院に実習に来る学生さんをちょっとうらやましく思ってしまいますね。

・・・とはいいつつ、ああだこうだと言っても地域医療とか家庭医療とかを伝えたりするのは非常に難しいですので、仮に学生時代の自分がここに来ても地域医療や家庭医療に関心がなかったりしたら逆に苦痛かもしれません(笑)

願わくば、何だか病院で仕事しているだけでは見えないことや分からないこと(家族のこととか患者の嗜好)とかがちょこっと見えて、何だか面白そうなことしていたなぁ・・・と思ってくれるくらいでいいのかもしれないですね。

なんせこんな私ですが、地域医療を専攻するレジデントを募集する面接で「皮膚科に興味があるんですよ~」とか言っていた自分が地域医療や家庭医療をしているのですからね。尊敬できる師匠や兄貴分に当たる先生に出会ったことが自分の道を選ぶにあたり非常に大きいことだったんだなあと最近痛感しています。

今日は学生さんと当直です。雪が降っているので簡単な風邪とかの患者は少なくなってくれるとありがたいですね。

2010年3月9日火曜日

あそこがボードで切れること

最近は当直で変な患者が山盛りです。変と言っても、良くあるタチの悪い観光客というわけじゃなくて、ソフトコンタクトレンズをハードコンタクトの保存液で煮沸してしまったがそれをそのまま使用して目が痛くなり受診した患者とか、、、。まあ、痛くなって当たり前って感じですが、細隙灯所見ではフルオロで不染帯があり角膜損傷がばっちりありました。
それ以外にも今週はびっくりした患者がいました。スキー場より連絡「外陰部をスノーボードで受傷して出血が止まらない女性を受けてくれ」とのこと、、、「31歳男性の内科医が対応しますがいいですか?」って感じですね。とにもかくにも、どうやったら外陰部をスノーボードで切るのでしょうか?やはり誰かがスノーボードでぶつかってきてエッジが股間にこすれて切創になったのが一番「あり」でしょうか?それともあの先のとがった部分があそこに直撃でしょうか?女性の痛みは良くわかりませんが、すごく痛そうです。男なら耐えられません。
どんな事やらと不安と興味心でいっぱいでしたが、来てみて話を聞いてみると片足をスノーボードに固定してもう片足をスノーボードから外している状態で転倒、本来足が固定されるはずの金具の部分に座り込む形で股がぶつかって出血したとのことでした。
診察してみたところ、外陰部が腫脹して創部が圧迫されたためかすでに止血済みでした。おそらく外側のみ(外陰唇)の挫傷でしょうが、東京からの観光客で翌日東京に帰るとのことでしたので婦人科宛てのお手紙を渡して後はナプキンで圧迫して帰宅となりました。
後々看護師さんに聞いてみたのですが年間に何例か同様のトラブルがあり婦人科の診察台でナートをした患者さんもいるみたいです。
スノーボードに行くのはいいですが股間をけがすると非常に恥ずかしいですねぇ。旅の恥はかき捨てといったものですが、、、女性のみなさん、思いがけないけがに注意です。