昨日は薬屋さんの勉強会がありました。内容は私がいつも悩んだ挙句に処方しないビスフォスフォネートについてでした。とうとう国産のものが認可されたとかどうとか、、、骨の帝王ということでボノテオと覚えてくださいって言われました。んで、、使うかどうかは名前はどうでもよくて、結論は骨折を防ぐのかどうかってことですが、お薬屋さん曰く骨折の危険性を59%減らしたという。つまりRelative risk は0.59ということですが、なんか胡散臭い感じですね。んじゃNNTはどうよってことで聞いてみると7.42ってことでした。他のビスフォスフォネートがすべて10~20代をうろちょろっていう結果なのでおかしいと思い調べてみました。
PubmedのClinical Queriesで「Minodronate japanese」で検索すると
Osteoporos Int. 2009 Aug;20(8):1429-37. Epub 2008 Dec 20.にEffect of daily oral minodronate on vertebral fractures in Japanese postmenopausal women with established osteoporosis: a randomized placebo-controlled double-blind study.
という論文がありました。
PECOを立ててみると、、、
P 704人の閉経後の女性で骨粗鬆症の既往がある人
E 1mg/dayのminodronateを飲んだ群(359人)
C プラセボ群(345人)
O 24か月の経過観察期間における新規の椎体圧迫骨折の累積罹患率
ランダム化割り付けされているか?→computerでランダム割り付けされている
ITTか?→methodにはITT解析と一応書いてある?
盲検化されているか?→double blind(二重盲検)である
ITTかどうかが怪しいですな・・・どうも胡散臭い!
Fig1をみるとEntry Crieria ViolationProtocol violationが理由で除外されたminodronate群343人、プラセボ群331人でITT解析したとあるが・・・実際に24カ月にわたってcompleteにstudyに参加した人間はminodronate群253人、プラセボ群239人で実はかなりの数が脱落している。脱落理由は、Voluntary withdrawal,Adverse Effect,Protocol violation,Treatment failure,Lost to followingで12か月の時点で残ったのがMinodronate群で271人、プラセボ群で263人であった。そこからさらに残りの12カ月でVoluntary withdrawal,Adverse Effectが理由で脱落した人が出てcompleteにstudyに参加したminodronate群253人、プラセボ群239人となっている。
う~ん、結局脱落した人が最終的な検定に含まれていないみたいでインチキITT解析になっているみたいです。
24か月の時点でのNNTは1/0.24-0.104=7.42となっておりお薬屋さんのくれた情報と一緒でしたが・・・。
Table2にある最終的な解析時のminodronat群とプラセボ群のそれぞれが0か月の時点では339人と328人、24か月の時点で253人と239人となっている。これは脱落者が0の時点、24カ月後で脱落者が出た後の段階の人数を記載したFig1の記載と違っているのも疑問である。
①NNTは正しく出ているが、ITT解析がしっかりできていない可能性が高いこと
②実際の解析時の数字が、Fig1の記載と違っていること
どうやらこの二つが胡散臭さの原因みたいです。
実際の解析時の数字とFig1の数字に相違があるのはどういうことなのか、EBMの師匠に聞いてみたいと思います。自分で調べろって逆に怒られたりして・・・(笑)
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