2010年10月20日水曜日

Geriatric MedicineとParkinson病の幻覚妄想について OHSU(11日目)

月曜日は1日中、老年医学の精神科につきました。
先週に半日お世話になった先生だったので顔見知りでコミュニケーションが楽でした。
面白かったのは最後の患者でParkinson病があり妄想幻覚が出てきた患者でした。
Parkinson病患者で入院させたら妄想幻覚がひどくて、Nrsサイドから苦情の雨あられが来るなんてこと経験したことありますよね。
抗精神薬には抗ドーパミン作用があるので妄想幻覚を抑えるために投与して逆にParkinson病の主症状である無動、固縮、振戦が悪くなることも心配です。
どの薬を使うのかと質問をしてみたところOranzapineをfirstで使うとのこと、、、
「Risperidoneはどう?」と聞いてみると「Ummmm、、Not bad.」とのことでした。
実際はどうでしょう?
Up to dateで調べてみました。
Management of comorbid problems associated with Parkinson diseaseという項目に記載があります。

妄想幻覚がひどい場合、中核症状の症状の悪化が考えられるがそれでも幻覚妄想を抑えるメリットが大きいと考える場合に投与している薬を抗コリン薬、amantadine、COMT阻害薬、DOPA agonistの順番で休薬、最後にすべてダメな場合にL-DOPA自体を減量することが推奨されている。

薬剤に関してはクロザピンとクエチアピンが非定形抗精神薬であるリスペリドンやオランザピン、定形抗精神薬のハロペリドールよりも中核症状症状の悪化がなく妄想幻覚を抑える作用がる。
しかしクロザピンは6か月を超える使用で致死的な顆粒球減少が起こる確率が上昇すること、そのため採血によるフォローが必要であることが述べられている。American Academy of Neurology (AAN)によればクロザピンはeffective、クエチアピンがpossibly effective、Oranzapineはineffectiveと記載がある。ただし使いやすさではやはりクエチアピンがFirst Choiceであるべきだと書かれている。

今までは私はよくリスペリドンを使っていましたが次回からはセロクエルを検討してみるのもいいかもしれないですね。
自分で調べてみると案外いろんな事実が発覚しますね、、、勉強になりました!

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