2010年10月30日土曜日

日本人の絶対的な弱み (OHSU19日目)

こんばんは、とうとう19日目です。英語の方は相変わらず苦労しています。最近、妻と話をしていて2人で気がついたことがあります。日本人のレジデントはアメリカのレジデントに劣っていないということです。私たちの病院はGFを全員がやると説明をしたところ驚かれました。
Biomedicalに関しても使っているツールがDynamedやUptodateなのでしっかり勉強していれば基礎知識は変わりない。あとは知識を自分調べる時間と、患者についての治療や検査検査プランについて調べた知識をもとにディスカッションし知識を定着させる時間、アテンディングの医師から適切なアドバイスをもらう時間の不足、すべては時間軸が関係している部分でしょう。
あと、もうひとつ絶対的な弱みは、日本のレジデントは劣等感が強いなあと思います。実際にアメリカに来てみると、Biomedicalな部分などは自分たちが英語を母国語としていたら、DynamedやUptodateを読むのなんて日本の教科書を読むのより安易だと思うんですね。つまり言語ができないということからくるハンディキャップからすべて自分たちが劣っていると思いこんでしまうところが大きいのかもしれません。もっとも、日本のレジデントは向上心が強ければ強いほど、自分の仕事を自分でしっかりと評価できないということも忘れてはならないところです。9割いい仕事、つまり社会の貢献度の高い仕事をしていても1割の失敗で時部は駄目だ、もっと努力せねば、、、他人より劣っているのではないかと感じてしまう人が多いんですね。
アメリカはちょっと違うんですね。1割間違ったけど9割も出来た、、、とか1割の失敗に気がつくことができて改善するきっかけになったと解釈することが多いんです。
日本はどうやら民族性なのかもしれませんが完ぺきであることが素晴らしいこと、そのために謙虚であることが素晴らしいことと子供のころから教えられるのが弱点ではないかなあと思うんです。幼少期からそのように教育されるので大人になっても自分の仕事がしっかりと評価できいない。完璧にできないことを謙虚にとらえることが美学であるから、出来た部分に目が向きにくいんです。
アメリカでは入院患者のカンファレンスでもレジデントが色々な意見をアテンディングにお話ししますが、Perfect!、Good!、That's right!、Exactly!、Not Bad!など極めて出来た部分をしっかりと分かるようにアテンディングは評価をしている。出来ない部分は出来ない部分でNot Bad!But ~is betterと振り返りをポジティブにしているんですね。日本の、あれもダメ、これもダメという減点方式がまさしく人を育てない、そして人を育てることができない人を育てる土壌になっているんです。そしてそれが最大の弱み何だなあと思いました。
日本の家庭医、悪い意味忙しくてしっかりとした教育を受けれていないところも多いけど、、、何よりもタフネスがあるし、一人の持ち患者数や外来でこなす数、内視鏡やエコーなどの技術、読影力などの部分は決してアメリカに比べて悪くないし、もっと自尊心を持ってもいいのではないかなあと思いました。
あとは、社会が家庭医をしっかりと評価出来れば家庭医をやっている人たちも自分たちの自尊心を維持できますし、仕事への満足感が高くなるのではないかと思います。多分数十年の規模での変化でしょうが、、、いつかそういう日が来るのを願いたいですね。

PS:本日は昼にGabriel parkのCLINICに行き初めてハロウィンパーティーに参加しました。
  患者受付の窓口に、アメリカンドックの着ぐるみを来たお兄さんが座っていてびっくりしました。

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