2010年12月1日水曜日

アメリカのホスピスを見学 (OHSU36日目)

今日はアメリカのホスピスの見学です。OHSUではなくLegacyというグループが持つホスピスです。近所の日本の食品を売っているスーパーマーケットに行く際に前を通ることがあり妻と「ホスピスがこんなところにあるんだ~」と良く話をしていたところでした。
基本的には入院している人の中心は癌で末期の人が多いのですが、エンドステージの肝疾患や脳梗塞で寝たきりで肺炎を繰り返しており状態が悪い人なども一部混じっています。
ここは数人の研修医の受け入れもしているようで、アテンドのドクターが案内してくれました。日本のホスピスと違って基本的には在宅が基本になっていて、著しく状況が変わり疼痛コントロールや対症療法が必要な場合に入院する形になっています。入院をしたとしても状況がコントロールでき次第すぐに家に戻るようなシステムになっており、患者死亡時には基本的にドクターではなくナースのみが確認に行き死亡確認をすることになっているのでそんなに夜は大変ではないとのことでした。
疑問に思ったのは実際にどれだけの人が自宅で亡くなり、どれだけの人が入院で亡くなるかです。アテンドのドクターに聞いてみましたが半分以上は自宅で亡くなり、入院して急激に悪くなって亡くなる人が半分よりちょっと少ないくらいとのこと、、、。
それを考えると日本に関しては入院していても在宅とやれることが変わらないのに入院で看取りをするケースが異常に多いなあと感じました。看取り以外についても入院の域値、医療機関にかかろうとする受診の域値が日本は異常に低いなあと痛感します。皆保険で個人の負担が少ないのが原因の主な部分でしょうが、、、他にも問題があるのかもしれません。
患者の家族の不安を取り除くという理由で医療が間近にあることが非常に大事なのかもしれませんが、本当に必要な入院とは何なのか考えなきゃいけないですね。良くある入院希望の理由が、、面倒見切れない、仕事が大変、心配、念のため、、、そんな理由で入院が成り立っていますが、ケースによっては高齢者をただネグレクトというケースも今まで経験したことがありますし、、、逆にどのようにケアしたらよいかという介護の知識の欠乏や医療側の説明不足が不安の原因になっている場合も問題として隠れていたりするんですよね。
防ぎうる無駄な入院は我々の説明努力と元々の信頼関係の構築が鍵を握っているのかもしれません。ただしアメリカの場合はやはりHosupiceの入院費が高いという部分も在宅がベースになっている原因なのかもしれませんね。
日本も入院費が高かったらアメリカのようになるんでしょうか?
それが正しいと言いきれませんが、無駄を減らすという意味では医療費の高騰や自己負担額の増加は必要なことなのかもしれません。

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