2010年12月8日水曜日

アルツハイマークリニックの見学 (OHSU 43日目)

今日はFamily physicianではなくNeurologyのAlzheimerクリニックを見学しました。
今日見させてもらったのはFront Temporal Dementia疑いの患者です。何だか最近記憶が悪くなったことなどを心配して同じアパートの住民が連れてきたようです。頭部CTでは前頭葉が委縮気味でFTDを疑っているとのことで、PCPから精査以来の紹介です。話によるとアリセプトを処方されて飲んでいるようで「何だかこれを始めてから悪くないみたい」と付き添いの方の意見。
MMSEをやってみると確かに悪い、20点以下、COGNIATAT認知機能検査を行う。
COGNISTATはscreen-metric方式(最も難易度の高い課題に正答すれば正常とする)で行われるため、検査時間は軽度認知症で15分程度ですむ簡易な検査で1、見当識 2、注意 3、語り 4、理解、5、復唱 6、呼称 7、構成 8、記憶、9、計算 10、類似 11、判断のそれぞれの能力を評価できる。
結果は、見当識や記憶に大きな問題があるが臨床的にはFTDとは臨床的な症状に隔たりがありすぎるという判断。
確かにDynamedには3 major clinical presentationsで特徴づけられると書いてあり、更にはcharacterized by insidious onset of personality changes, behavioral abnormalities and poor insight includingと記載がある。
最終的には、アルツハイマーも典型的じゃないけどアリセプトが一定の効果を見せている。典型的なアルツハイマーじゃないけど非典型的なアルツハイマーとしてアリセプトを続けて、半年ごとに経過を診るようにしましょう、、、ということで一件落着でした。
ところで認知症の疫学的な分類などをもう一度おさらい。
日本のcohort研究J Neurol Neurosurg Psychiatry 2009 Apr;80(4):366をゲットしました。
65歳以上で認知症のない人を828人を17年間追跡したもので、、、1000人年あたりで計算されてます。
100人を10年見た場合に換算すると32.3人が認知症になり
・14.6人がアルツハイマー型
・9.5人が脳血管性
・1.4人がレビー小体型
・3.8人が混合型
・3.1人がその他
思った以上に脳血管性が多いことがわかります。
基本はアルツハイマー、二番目が脳血管性、その他はドングリの背比べ状態ということですね。

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