2010年5月19日水曜日

3か月に1度の振り返り

今日は3カ月に1度の振り返りを職場でやりました。
結論として半年ほど勤務して一通り病院の中で働くにあたり必要になった部分、、、
バイオメディカルについての知識、内視鏡などの技術、地域の医療資源については必要最小限が出来るようになった感じがしました。
一方で診療に余裕が出来ることで患者さんと病院の関係について疑問に感じることなどがいっぱい出てきて実際に診療しつつももやもやしていたり、いらいらして患者さんに優しくできなかったりとマイナス(?)な面に気がつくことができました。
具体的にどんなことが疑問なのかというと、病院に対するアクセスビリティーが良すぎることで地域住民にとってはいい病院になっているが本当に必要な受診かどうかを患者が考えるきっかけを奪っているのではないか、安易なアクセスビリティーが患者自身の抱える健康問題を自分の中で消化する方法を奪っているのではないかということです。
いつでも嫌がらずに患者をみる。専門にこだわらず適切な初療をする。病気だけでなく社会的に病を作り出す環境に介入する。当り前で当り前に出来ないことを、自分が勤めている病院の医師や看護師は当たり前にやっている。自分が今まで勤務してきた都心部の病院のスタッフ(自分も含めて)はやっていなかったことだと思います。
当り前のことを当たり前にするという事はとても大変なことなのに、実は大変なことをやっていても当たり前のことと思われて誰にも評価されないことがあります。むしろもっともっとやってくれと言われたり、、、時にまっとうな医療は余計な検査もしないし薬も使わないので儲かりません。儲からない医療をやったら赤字だと文句を言われてしまうなんてことも結構あります。特に公設民営の管理委託だとそのような傾向は強いのではないでしょうか?
人というものは本当に我儘だと思います。「医療や福祉を充実させろ!」でも「税金は増やすな!」とたくさんの人が主張しますが、その矛盾が紛れもなくそれがこの国の現状なのです。
他人の我儘を自分に置き換えて考えてみると、自分自身についても結局同じだったりもするのかもしれません。「この患者はだめだ!いつもいきなり来て無理な要求ばかりする」とレッテルを貼り真摯に向き合わないで診療している患者がいれば「この患者はしょうがない。ほっといたら本当にダメになってしまう。だってかわいそうだし、、」と親身に話を聞いて診療している患者がいます。どっちの患者も本来はなんらかの健康問題を抱えて受診しているわけなのに気に入る態度かどうか、同情できるかどうかで診療態度を変えているわけだったりするわけですね。結局は己のストライクゾーンに入ってきたかどうかということで大事にされる患者とどうでもいい患者に分かれてしまっているのが現状、、、自分自身、我儘な人間の一人だったんだ、、、と気がついた振り返りでした。

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